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【卑しむ金木で目を突く】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・対義語・英語)

卑しむ金木で目を突く

【ことわざ】
卑しむ金木で目を突く

【読み方】
いやしむかなぎでめをつく

【意味】
小さく弱いものだと見下して油断したために、思いがけない失敗をすることのたとえ。

ことわざ博士
「卑しむ金木で目を突く」は、軽く見たものから不意に痛手を受けるという戒めを表しているよ。
助手ねこ
相手の力、作業の難しさ、準備の不足を甘く見て失敗する場面で用いるニャン。

【英語】
・Pride comes/goes before a fall(思い上がりや過信は失敗を招く)

【類義語】
・侮る葛に倒さる(あなずるかずらにたおさる)
・油断大敵(ゆだんたいてき)

【対義語】
・備えあれば憂いなし(そなえあればうれいなし)

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「卑しむ金木で目を突く」の語源・由来

ことわざを深掘り

「卑しむ金木で目を突く」は、「卑しむ」と「金木」と「目を突く」が結びついたことわざです。「卑しむ」は、いやしいものとして見下げる、軽んずる、さげすむという意味をもつ言葉です。

「金木(かなぎ)」は、このことわざでは木の小枝、または細く堅い木の棒を指します。もともと「金木」には、木の小枝、細く堅い木の棒、堅木や柴などを表す用法があり、このことわざでは小さく見える木の枝という意味が生きています。

つまり、このことわざは、細く弱そうな小枝をたいしたものではないと軽く見ていたところ、その小枝で目を突いてけがをする、という身近な場面をたとえにしています。小さく見えるものでも、油断すれば思いがけない害をもたらすという教えです。

この形に近い古い用例として、『俗諺論 全』(1906年・明治時代、藤井乙男著)に「いやしむ金木(カナギ)で目をつく」とあります。『俗諺論 全』は藤井乙男の著作で、1906年に冨山房から刊行されたことわざ研究の書物です。

同じ用例では、「金木」は小さい木の枝であり、ばかにした小枝で目を突くことから、あなどったために思わぬ失敗をするたとえとして示されています。ここでは、ただけがをする話ではなく、油断して不覚を取る心のあり方まで含めて表されています。

このことわざの要点は、「小さいものだから安全だ」「弱そうだから心配ない」と決めつけるところにあります。目を突くという表現は、実際の痛みをともなうため、油断の結果が軽くすまないことを強く印象づけています。

同じ発想をもつ言い方に、「侮る葛に倒さる」があります。これは、相手を馬鹿にして、かえって思わぬ不覚を取ることをいう表現で、室町時代中期の『鴉鷺合戦物語』には「先度の合戦、余に敵をたやすくおもひて、あなづるかづらにたをれす」という用例が出てきます。

この「葛」は、細く頼りなく見えるつる草です。しかし、足もとにある葛を軽く見ると、そこに足を取られて倒れることがあります。「卑しむ金木で目を突く」も同じく、弱そうに見えるものを侮るところから失敗が起こる、という考えを表しています。

さらに、中国古代の思想書『韓非子(かんぴし)』にも、「不躓於山,而躓於垤」とあります。大きな山には注意するのでつまずかないが、小さな蟻塚には油断してつまずく、という意味で、小さなものを軽く見る危うさを説いています。

ただし、「卑しむ金木で目を突く」は、中国古典の特定の人物や出来事をそのまま受けた故事成語ではなく、日本語の生活感に根ざしたたとえとして用いられてきたことわざです。小枝、葛、蟻塚のような小さなものを通して、人は大きな相手よりも、むしろ軽く見たものによって失敗しやすい、という教訓へつながっています。

そのため、現在このことわざは、弱そうな相手、簡単そうな問題、小さな確認作業などを甘く見て失敗する場面に用いられます。小さいからといって侮らず、目の前のことにていねいに向き合う大切さを伝える言葉です。

「卑しむ金木で目を突く」の使い方

健太
今度のサッカーの試合の相手は、いつも負けてばかりのチームだからきっと楽勝だよね。
ともこ
そんな風に油断していると、卑しむ金木で目を突くことになるかもしれないよ。
健太
えっ、どういうこと?
ともこ
相手を小さな木切れみたい見くびっていると、痛い目を見るよという意味だから、最後まで油断せずに戦おうね!
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「卑しむ金木で目を突く」の例文

例文
  • 相手チームを人数が少ないからと軽く見た結果、逆転負けをして卑しむ金木で目を突くことになった。
  • 簡単な計算問題だと思って見直しを省いたため、卑しむ金木で目を突く失点をした。
  • 新人の発表だから問題ないと準備を怠った上司は、鋭い質問に答えられず卑しむ金木で目を突くことになった。
  • 小さな部品だから故障に関係ないと決めつけたことが、機械全体の停止を招き、卑しむ金木で目を突く結果となった。
  • 近所の短い道だから迷わないと思って地図を見なかったため、卑しむ金木で目を突くように集合時刻に遅れた。
  • 年下の弟を相手に将棋で油断した兄は、終盤で詰まされて卑しむ金木で目を突く思いをした。

主な参考文献
・佐竹秀雄・武田勝昭・伊藤高雄編、北村孝一監修『故事俗信ことわざ大辞典 第二版』小学館、2012年。
・小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005〜2006年。
・藤井乙男『俗諺論 全』冨山房、1906年。
・『鴉鷺合戦物語』室町時代中期。
・韓非およびその一派『韓非子』紀元前2世紀末にかけて成立。
・円満字二郎編『故事成語を知る辞典』小学館、2018年。
・Cambridge University Press『Cambridge Dictionary』。





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