「窮すれば通ず」の意味(出典・類義語・対義語・英語訳)
【ことわざ】
窮すれば通ず
【読み方】
きゅうすればつうず
【意味】
最悪の事態に陥ってどうにもならなくなれば、逆に活路が開けるものだという事。絶体絶命だと思うような状況でも、案外解決の道はあるものだという事。
これは、どんなに困難な状況でも、そこから何か新しいものが生まれる可能性があるってことを教えてくれる言葉やな。
中国古代の占術や哲学に関する書物『易経』の『繋辞伝・下(易の成り立ち・思想など、易に関する包括的な説明が収められている篇)』より、「困の掛は、行き詰まっても必ず切り抜けることができる」という記述から。
【類義語】
・案じる子は生み易い
・案じるより芋汁
・案じるより団子汁
・案じるより豆腐汁
・案ずるより産むが易し
・思うより産むが易い
・必要は発明の母
【対義語】
・窮すれば濫す
【英語訳】
・When things are at the worst they will mend.
・A hungry man smells meat afar off.
・Want makes wit.
「窮すれば通ず」の解説
「窮すれば通ず」という言葉は、古代中国の大事な本の一つで、「易経」っていう本からきているんだ。この本は、人生の色々なことを占ったり、考えたりするための本なんだよ。
この「易経」の中に、「困窮而通」っていう言葉があって、「困窮」は、とても困った状況になってしまってどうしようもないときのことを指しているんだ。そして、「通」は、困った状況からなんとか抜け出して解決するという意味があるんだ。
つまり、「困窮而通」は「どんなに困った状況になっても、最終的にはなんとかなる」という意味だよ。
さらに、「易経」の中には、同じような教えを書いている部分がもう一つあるんだ。「窮すれば則(すなわ)ち変じ、変じれば則ち通じ、通じれば則ち久(ひさ)し」と書かれているんだ。
これを現代の言葉で言うと、「困った状況になったときは、変化が起こり、その変化によって新しい道が開け、その新しい道を通り続けることで、結果的に長く生き続けることができる」という意味になるよ。
だから、「窮すれば通ず」は、「どんなに困ったときでも、最後にはなんとかなるよ」という希望を伝える言葉なんだよ。
「窮すれば通ず」の使い方
「窮すれば通ず」の例文
- 取引先へ伺った際に資料を忘れたが、一生懸命自分の言葉で話した為に契約を取る事が出来た。窮すれば通ずだ。
- 窮すれば通ずというが、ゆきづまってどうにもならなくなると、かえって知恵がはたらいて、何とか道がひらけるものさ。
- 窮すれば通ずだな、締切日前日にこんなに良いアイディアが浮かぶだなんて。
- 次の空手の対戦相手は非常に強敵だ。弱点も見つからない。でも「窮すれば通ずだ。がんばればきっと道がひらけるぞ。」とコーチがはげましてくれた。
つまり、逆境が逆に新たな可能性を生み出す、という希望を示しているんだ。