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【烏集の交わり】の意味と使い方や例文!故事は?(類義語・対義語・英語)

烏集の交わり

【故事成語】
烏集の交わり

【読み方】
うしゅうのまじわり

【意味】
相手を選ばずに結び付き、互いに真心をもたず、うそや利欲のために争いを起こす交わり。

ことわざ博士
「烏集の交わり」は、利益がある間だけ親しくし、利害が食い違えば争いに転じる関係を指すよ。
助手ねこ
信頼や誠実さを欠いた交友や仲間付き合いを批判するときに用いるニャン。

【英語】
・fair-weather friends(都合のよい時だけ親しくする友人たち)

【類義語】
・勢利の交わり(せいりのまじわり)

【対義語】
・金石の交わり(きんせきのまじわり)

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「烏集の交わり」の故事

故事成語を深掘り

「烏集の交わり」は、中国古代の思想書『管子(かんし)』に由来します。『管子』は、春秋時代の斉(せい)の政治家である管仲(かんちゅう)の名を掲げていますが、実際には、戦国時代から漢代にかけて、さまざまな人々の文章を集めて形づくられた書物です。

現在の『管子』には七十六篇が残り、政治・経済・軍事・教育など、国を治めるための幅広い考えが述べられています。その中の「形勢解」は、「形勢」に記された短い教えを、より詳しく説き明かす部分です。

「形勢解」には、人との付き合いについて、「與人交、多詐偽無情實、偷取一切、謂之烏集之交」とあります。人と交わるとき、偽りが多く、真心を欠き、目先の利益ばかりを求める関係を「烏集之交」と呼ぶ、という意味です。

「烏集(うしゅう)」とは、文字どおり、カラスが群がることです。「烏」はカラスを表し、「烏集」は、カラスの群れのように、規律もまとまりもなく、騒がしく集まることを意味します。

ただし、この故事で問題にしているのは、集団に規律がないことだけではありません。集まった人々が互いを信頼せず、自分の利益だけを求めて付き合っていることが、より重要な点です。

原文は続けて、「烏集之交、初雖相驩、後必相咄」と述べます。そのような交わりは、初めこそ喜び合い、仲よくしているようでも、後には必ず互いを責め合うようになる、という意味です。

利益が一致しているうちは、表面上の親しさを保つことができます。しかし、分け前や立場をめぐって利害が食い違えば、結び付きの土台となる真心がないため、たちまち争いへと変わってしまいます。

さらに「形勢解」は、「烏集之交、雖善不親」と結んでいます。見かけは親しく付き合っていても、心から信頼し合う間柄にはなれない、という教えです。

もとの「形勢」には、これに対応する言葉として、「烏鳥之狡、雖善不親」とあります。「形勢解」は、この短い言葉を、人々が利益のために群がる「烏集之交」という具体的な交際の姿に置き換えて説いています。

ここでのカラスは、実際の生態を説明するためのものではなく、まとまりのない群れや、利益のある場所へ寄り集まる人々を表す比喩として用いられています。後世の文献でも、「初めは親しくしていても、後には争うのは、利益によって結び付いているからだ」と、この言葉の意味を説いています。

漢文の「烏集之交」は、日本語では「之」を「の」と読み、「烏集の交わり」という形で用いられるようになりました。「交わり」は、人と人との付き合いや関係を表すため、原文の意味を保ちながら、日本語として理解しやすい言い方になっています。

こうして「烏集の交わり」は、単に人が寄り集まった状態ではなく、うそや利欲によって結ばれた、真心のない付き合いを表す言葉となりました。目先の利益だけを土台にした関係は、初めは親しく見えても、信頼がないため長くは続かないという戒めを伝えています。

「烏集の交わり」の使い方

健太
校内スタンプラリーの景品が欲しくて組んだ三人が、景品の分け方で大げんかしているよ。
ともこ
景品をもらえる間だけ仲よくしていたのなら、本当の友達とは言いにくいね。
健太
先生が、ああいう利益だけで結ばれた関係を烏集の交わりというんだって。
ともこ
最初は楽しそうでも、真心がなければ長続きしないんだね……。
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「烏集の交わり」の例文

例文
  • 利益を分け合う間だけ続いた彼らの関係は、烏集の交わりにすぎなかった。
  • 賞品目当てで集まった仲間は、分け前をめぐって争い、烏集の交わりであったことを露呈した。
  • 互いに利用することしか考えていない取引先との関係を、社長は烏集の交わりだと戒めた。
  • 権力を失った途端に人々が離れていき、彼らの結び付きが烏集の交わりだったと分かった。
  • 有利な情報を得るためだけの友人関係では、烏集の交わりになりかねない。
  • 小説では、利益のために手を結んだ者たちの烏集の交わりが、やがて激しい争いへ変わっていく。

主な参考文献
・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・小川環樹・西田太一郎・赤塚忠・阿辻哲次・釜谷武志・木津祐子編『角川新字源 改訂新版』KADOKAWA、2017年。
・遠藤哲夫著『新釈漢文大系52 管子 下』明治書院、1992年。
・『管子』「形勢」「形勢解」、戦国時代から漢代に成立。
・Cambridge University Press & Assessment『Cambridge Advanced Learner’s Dictionary & Thesaurus』。





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