【大人は火の子】の意味と使い方や例文!語源由来は?(対義語)

大人は火の子

【ことわざ】
大人は火の子

【読み方】
おとなはひのこ

【意味】
大人は寒さを嫌い、火のそばで暖まりたがるということ。多くは「子供は風の子」と対にして用いる。

ことわざ博士
大人が子どもより寒さを嫌い、暖かい火のそばにいたがる様子を、親しみのある対照で言い表す言葉だよ。
助手ねこ
寒い日に、大人が屋内や暖房の近くから離れたがらない場面で用いるニャン。

【対義語】
・子供は風の子(こどもはかぜのこ)

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「大人は火の子」の語源・由来

ことわざを深掘り

「大人は火の子」は、一般に、「子供は風の子、大人は火の子」という形で使われます。子どもは冷たい風の中でも元気に外を駆け回るのに対し、大人は寒がって火のそばから離れないという様子を、調子よく言い表したものです。ここでいう「火の子」は火の粉のことではなく、火のそばを好む大人を、火に属する子のように見立てた言い方です。

このことわざのもとをたどると、まず、前半の「子供は風の子」に古い用例があります。『醒睡笑(せいすいしょう)』(1623年成立・江戸時代初期、安楽庵策伝著)には、「わらんべは風の子」という言い方が出てきます。「わらんべ」は、子どもを表す古い言葉です。辞書類では、刊行された本文に見える1628年の例が、「風の子」の初出として挙げられています。

ただし、『醒睡笑』の話は、現在のように、子どもが寒風の中で元気に遊ぶことを説明したものではありません。なぜ子どもを「風の子」と呼ぶのかと問い、夫婦の間に生まれた子だからだと答える、音を利用した笑い話になっています。つまり、この時代には「わらんべは風の子」という言い方がすでに知られていましたが、作品では、その意味を説くのではなく、言葉遊びの材料として用いています。

その後、「わらんべ」や「童」に代わって、「子供」を用いる形が広まりました。『諺苑(げんえん)』(1797年・江戸時代後期、太田全斎著)には、「子供は風の子」の用例があります。『諺苑』は、俗語や世間に伝わる言い回しを集めた書物であり、江戸時代後期には、現在と同じ前半の形が定着していたことが分かります。

また、「童は風の子」は、奈良をはじめとする各地のわらべ歌で、「じじばば火の子」と対にして歌われていました。子どもは寒い風の中を元気に遊び回り、年を取った人は火のそばで暖まるという、冬の日の対照的な姿を歌ったものです。「風の子」と「火の子」という釣り合いのよい言葉が、この歌の中ではっきりと組み合わされています。

現在の「大人は火の子」は、この「じじばば火の子」が表す範囲を、年を取った人だけでなく、子どもと対になる大人一般へと広げた形と考えられます。「子供」と「大人」、「風」と「火」をそれぞれ向かい合わせることで、意味の対照が分かりやすくなり、「子供は風の子、大人は火の子」という整った言い回しになりました。

昭和期には、「子供は風の子」が、寒くても子どもは外で遊ぶものだという言葉として、文章にも用いられています。一方、「大人は火の子」は、その後半として、寒さを嫌う大人の様子を少しおかしく表す役割を担っています。大人を責める強い言葉ではなく、暖房やこたつから離れたくない自分や身近な人を、親しみを込めてからかう場合にも使えることわざです。

「大人は火の子」の使い方

健太
放課後、公園に積もった雪で大きな雪だるまを作ろうよ!
ともこ
いいね! お母さんも誘ったけれど、暖房の前から動きたくないんだって。
健太
まさに大人は火の子だね。ぼくたちは手袋をして外へ行こう!
ともこ
うん! 遊び終わったら、みんなで温かいココアを飲もうね。
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「大人は火の子」の例文

例文
  • 雪の中で遊ぶ子どもたちを眺めながら、父は大人は火の子とばかりにストーブの前に座っていた。
  • 冬の町内行事では、大人は火の子という言葉どおり、保護者たちが暖房のある休憩所に集まった。
  • 子どものころは雪を喜んだ母も、今では大人は火の子を地で行き、こたつで一日を過ごしている。
  • 孫が寒風の中を走り回る一方、祖父は大人は火の子と自分をからかいながら家の中で見守った。
  • 寒い朝に社員たちが暖房の周りから離れない様子は、まさに大人は火の子だった。
  • 大人は火の子とはいうものの、地域の雪かきの日には家に閉じこもっていられない。

主な参考文献

・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・集英社辞典編集部編『会話で使えることわざ辞典』集英社、1989年。
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・安楽庵策伝『醒睡笑』1623年成立。
・太田全斎『諺苑』1797年。


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