【ことわざ】
驕る平家は久しからず
【読み方】
おごるへいけはひさしからず
【意味】
栄華を極めて勝手なふるまいをする人は長くその身を保つことができない。
【語源・由来】
「平家物語」の書き出し部分「祗園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。驕れる人も久しからず、唯春の夜の夢のごとし」から。
【類義語】
・驕る平家に二代なし
・驕る平家の運の末
・驕る平家は内より崩る
・驕る者久しからず
・栄枯盛衰
・盛者必衰
・月満つれば則ち虧く
・日中すれば昃き、月盈つれば食く
・盈つれば虧く
・物盛んなれば則ち衰う
・羅紈有る者は必ず麻蒯有り
対義語ではありませんが、藤原道長が「この世をば わが世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば」という歌を残しています。
【英語】
The morning sun never lasts a day.(朝日の輝きは一日は続かない)
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「驕る平家は久しからず」の使い方
隣のクラスに将棋がすごく上手い子がいるんだけど、自慢ばっかりして、偉そうにしてて感じ悪いんだ。
私の友達、その子と勝負して負けちゃったの。弱すぎて相手にならないって、馬鹿にされたって落ち込んでいたわ。
ひどいよね。負けた対戦相手にそんなふうに言わなくても良いのに。
驕る平家は久しからずって言うから、じきにその子より上手い子にコテンパンに負かされるわよ!
「驕る平家は久しからず」の例文
- 勢いのある政権だったが、ここ数ヵ月の勢いにかげりが見えてきた。これは驕る平家は久しからずという事だろうか。目が離せない展開になってきた。
- 世界大会で優勝してからというもの、あの選手は態度が変わってしまった。サインや写真を求めるファンに対して冷たい態度を取ったり、暴言を吐いたりしているのだ。驕る平家は久しからずというが、あの選手はそのうち成績が悪くなるだろう。
- 成功した直後の企業は、驕る平家は久しからずと言われるように、謙虚で謙遜な姿勢を忘れず、常に改善と向上を目指す必要がある。
- 政治家が権力に翳りがちなのは、驕る平家は久しからずということわざが示すように、選挙での成功によって自信過剰になり、腐敗や不正に走りがちだからである。
- あなたは才能があるので、成功を手に入れたら驕る平家は久しからずということわざを心に刻んで、謙虚な姿勢を保ち続けるようにしましょう。
「驕る平家は久しからず」の文学作品などの用例
時は治承の春、世は平家の盛、そも天喜、康平の以来九十年の春秋、都も鄙も打靡きし源氏の白旗も、保元平治の二度の戦を都の名殘に、脆くも武門の哀れを東海の隅に止めしより、六十余州に到らぬ隈無き平家の權勢、驕る者久しからずとは驕れるもの如何で知るべき。(高山樗牛の滝口入道より)