「鬼の霍乱」の意味(語源由来・英語訳)
【ことわざ】
鬼の霍乱
【読み方】
おにのかくらん
【意味】
ふだんきわめて健康な人が珍しく病気になることのたとえ
普段は鬼みたいに元気な人でも、時には体調を崩すんや。これは、いくら丈夫な人でも無理は禁物やってことを教えてくれる言葉やな。
「霍乱(かくらん)」は、日射病のこと。また、夏に起こりやすいとされる、吐き気や下痢を伴う病気のことをいう。
鬼が霍乱で患ってしまうということが由来。
【英語訳】
The devil in a sickbed.
Person of iron constitution falling ill.
A strong person gets sick.
「鬼の霍乱」の解説
まず、「霍乱」っていう言葉、聞きなれないかもしれないね。これは、もともとは「きかくりょうらん(揮霍撩乱)」という言葉から来ていて、体がヘンになって手足をバタバタ動かすような様子を表すんだ。東洋医学では、夏になって熱中症になったり、夏風邪になったりする状態を「霍乱」と呼ぶんだよ。
で、「鬼」は、通常はとても強い存在を指す言葉だよね。
だから、「鬼の霍乱」っていう言葉は、「強いはずの鬼が、熱中症になる」という意味。これを使って、「普段はすごく丈夫な人が、たまには風邪をひく」みたいな状況を表現しているんだ。
つまり、「鬼の霍乱」っていう言葉は、「丈夫な人でもたまには病気になるよ」ということを表しているんだよ。これが「鬼の霍乱」の由来だね。
「鬼の霍乱」の使い方
「鬼の霍乱」の例文
- あんなに丈夫な先生が風邪をひいて休むなんて、鬼の霍乱だね。
- 鬼の霍乱というけれど、昨日から病院へ通っているんだ。
- ずっと皆勤賞を取っていた彼が寝込むなんて、鬼の霍乱だね。
- 健康には自信があって風邪もひいたことがなかったのに、まさか入院することになるなんて、鬼の霍乱だ。
- 父が入院するなんて、鬼の霍乱だと家族が話していた。
「入院なさったようですが、鬼の霍乱ですね。」などと使うには注意しなくてはならない。
また、ただめずらしいという意味で使うのは誤りなので注意が必要。
「兄がお小遣いをくれるなんて、鬼の霍乱だね。」と使うのは誤り。
「鬼の霍乱」の文学作品などの用例
父は客の方を見ながら、「お重が心持が悪いなんて、まるで鬼の霍乱だな」と云って、今度は自分に、「先刻綱(母の名)の話では腹が痛いように聞いたがそうじゃない頭痛なのかい」と聞き直した。(夏目漱石の行人より)
まとめ
健康であることは、とても大切なことですね。
しかし普段とても体が丈夫で健康だと思っていても、鬼の霍乱というように、病気になってしまうことがあるのではないでしょうか。
普段の生活習慣に気を付けて、末永く健康に暮らしたいものですね。