「鍋が釜を黒いと言う」の意味(類義語)
【ことわざ】
鍋が釜を黒いと言う
【読み方】
なべがかまをくろいという
【意味】
自分の欠点は棚に上げて、他人の欠点を指摘しあざわらうこと。
自分も同じようなところがあるのに、人を笑ってはいかんてことやね。ちょっとした気をつけるポイントやな。
【語源由来】
鍋が自分が黒いにもかかわらず釜のことを黒いと笑うことから。
【類義語】
・目糞鼻糞を笑う
「鍋が釜を黒いと言う」の解説
「鍋がやかんを黒いと言う」っていうのはね、英語で言うと「The pot calling the kettle black」という言い回しで、これはおもしろい表現なんだよ。これは、スペイン語から来た言葉の可能性があるんだって。英語では、もうかなり昔、17世紀前半から使われているんだよ。
この言葉が最初に使われた時の話をすると、他の人をある悪いことで告げ口していた人が、じつは自分も同じ悪いことをしていた、ということで使われたんだ。これは、自分がやっていることを他人に指摘する、っていう心の中の動きを示しているんだよ。これを心理学の言葉で言うと「投影」というんだ。
そしてね、英語で使われるネットの言葉や若者の言葉では、自分の悪いところを隠して、他の人の悪いところを指摘することを、この「鍋がやかんを黒いと言う」をもとにして、PKBって略すことがあるんだ。
日本の言葉で言うと、「目糞鼻糞を笑う」とか「五十歩百歩」という言い方もあるんだよ。これも、自分も同じようなことをしているのに、他人のことを指摘する、という意味合いがあるんだよ。
「鍋が釜を黒いと言う」の使い方
「鍋が釜を黒いと言う」の例文
- 100m逃げた人を10m逃げた君が笑うのは、鍋が釜を黒いと言うようなもので、逃げたことに変わりはない。
- 「あと三点で合格だったんだ。箸にも棒にも掛からぬ君とは違う」って?不合格は不合格なんだから、鍋が釜を黒いと言うのと同じだ。
- 白人は日本人を黄色人種と馬鹿にするが、透明人間でもない限り鍋が釜を黒いと言うようなものじゃないか。同じ肌に色がある人間だ。
- ともこちゃんを嘲っているようだけど、君とともこちゃんは五十歩百歩、鍋が釜を黒いと言うように違いはない。
- 「ちびすけ」と馬鹿にするな。鍋が釜を黒いと言うみたいに、自分だってちびじゃないか。