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【英雄色を好む】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語)

英雄色を好む

【ことわざ】
英雄色を好む

【読み方】
えいゆういろをこのむ

【意味】
優れた働きをする男は、何事にも精力的であるため、女性関係にも強い関心を示す傾向があるということ。

ことわざ博士
英雄の並外れた活力が、恋愛や色事にも向かうという見方を表すよ。
助手ねこ
女好きな人への皮肉や非難、または本人の自己弁護に用いることもあるニャン。

【類義語】
・英傑色を好む(えいけついろをこのむ)

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「英雄色を好む」の語源・由来

ことわざを深掘り

「英雄色を好む」は、「英雄」と「色を好む」とを結びつけたことわざです。「英雄」は、知力・才能・度胸・武勇などが、人並み外れて優れた人物を指します。

ここでいう「色」は色彩ではなく、男女の情事や色事を表します。したがって、言葉どおりには、「優れた人物は女性との恋愛や交際を好む」という意味になります。

人並み外れた人物をたたえる「英雄」という言葉に、私生活にかかわる「色事」を組み合わせているところに、このことわざの特徴があります。そのため、単なる称賛ではなく、感心、からかい、皮肉、非難などが入り交じった言い方として使われてきました。

古い実例の一つは、『東京朝日新聞』(1894年11月1日・明治時代)の記事にあります。そこでは、明治十年の役に西南へ出陣し、武勇を示した人物について、「英雄色を好むの天則にや」と記されています。

「天則にや」は、「これも天の定めなのだろうか」というほどの意味です。句の意味を詳しく説明せずに用いていることから、1894年にはすでに、読者に通じる言い回しとして扱われていたことがうかがえます。

その後、『福澤先生浮世談(ふくざわせんせいうきよだん)』(1898年・明治時代、福澤諭吉口述)にも、このことわざが出てきます。この作品は、社会の習慣や男女交際などを扱った口語体の談話で、初めに『時事新報』へ連載され、同じ年に一冊の本として刊行されました。

その中には、「或は又英雄色を好むと云ひ」とあります。福澤はこの句を、英雄と呼ばれるほど心身の強い者は色事にも傾きやすいという、世間で唱えられていた考えとして取り上げています。

明治時代のこれらの例では、英雄の強い生命力や行動力が、女性関係にも表れるという見方が前面に出ています。しかし、必ずしもその行いを無条件にほめているわけではなく、半ばあきれながら人物を評する響きも含まれています。

さらに、『渋江抽斎(しぶえちゅうさい)』(大正5年、森鷗外著)では、数人の芸妓(げいぎ)に囲まれた佐竹という人物に対し、「佐竹さん、相変らず英雄色を好むとやらですね」と声をかける場面があります。

ここでは、ことわざが人物を厳かにたたえるためではなく、女性好きであることを軽くからかう言葉として使われています。大正時代には、日常の会話に取り入れられるほど定着していたことが分かります。

こうして、「英雄色を好む」は、英雄の旺盛な活力を表す言葉であると同時に、女性関係の多い人物を皮肉る言い方としても広まりました。自分の女性関係を正当化するために、冗談めかしてこの句を持ち出す場合もあります。

ただし、このことわざは、功績のある人物なら不誠実な行いも許されるという意味ではありません。現在では、相手の行動を批評するときや、古くからある人物観を示すときに、言葉に含まれる皮肉や価値観を意識して用いる表現です。

「英雄色を好む」の使い方

健太
昨日読んだ伝記の将軍は、戦では大活躍したのに、女性とのうわさもずいぶん多かったよ。
ともこ
まさに英雄色を好む、という見方をされそうだね。
健太
でも、英雄なら何をしても許される、という意味ではないよね?
ともこ
うん。立派な功績と、その人の行動がよかったかどうかは、分けて考えなくちゃね。
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「英雄色を好む」の例文

例文
  • その武将の派手な女性関係を見て、世間は英雄色を好むと評した。
  • 英雄色を好むとはいうものの、功績が私生活の問題を帳消しにするわけではない。
  • 彼の多情ぶりを、友人は英雄色を好むと皮肉った。
  • 伝記には、英雄色を好むを思わせる王の逸話が幾つも記されていた。
  • 社長の女性関係を英雄色を好むの一言で片づけるのは適切ではない。
  • 英雄色を好むという言葉は、非難にも自己弁護にも使われる。

主な参考文献
・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・小学館大辞泉編集部編、松村明監修『大辞泉 第二版』小学館、2012年。
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・福澤諭吉『福澤先生浮世談』時事新報社、1898年。
・森鷗外『渋江抽斎』1916年。
・『東京朝日新聞』1894年11月1日。





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