「雨垂れ石を穿つ」の意味(出典・故事・類義語)
【ことわざ】
雨垂れ石を穿つ
【読み方】
あまだれいしをうがつ
【意味】
どんなに微力だろうとそれを諦めず継続していけば、いつの日にか努力が実るということ。
ちっちゃい雨粒でも、ずっとずっと降り続けると、結局は硬い石でも穴があくってわけや。つまり、ちょっとずつでもコツコツと努力し続けることの大切さを教えてくれる言葉やな。
【出典】
『漢書』・枚乗伝に「泰山之霤穿石」と記述。
【故事】
現代語訳すると「泰山に降る雨の霤は石を穿つ」となる。泰山とは、中国山東省中部にある名山を指しており、その山から染み出た雨の雫(蕾)が長い時間をかけ、滴る雫で石を砕いたと言う意味であり、それが転じてきている。
【類義語】
・蟻の思いも天に届く
・石に立つ矢
・一念岩をも通す
・斧を研いで針にする
・思う念力岩をも通す
・愚公移山
・愚公、山を移す
・金輪際の玉も拾えば尽きる
・人跡繁ければ山も凹む
・水滴石を穿つ
・精神一到何事か成らざらん
・塵も積もれば山となる
・釣瓶縄井桁を断つ
・鉄杵を磨く
・点滴石を穿つ
・蚤の息さえ天に昇る
・ローマは一日にして成らず
「雨垂れ石を穿つ」の解説
「雨垂れ石を穿つ」っていうことわざはね、ちっぴな雨粒でも、ずっとずっと降り続ければ、硬い石も穴を開けることができるっていうことを教えてくれるんだよ。
たとえば、毎日少しずつピアノの練習をして、最初は難しかった曲も、時間をかけて少しずつ上達して、最終的にはきれいに弾けるようになるさまを想像してみて。
このことわざは、「小さな努力でも、それをずっと続けていけば、大きな成功を収めることができる」という大切な教えを伝えているんだよね。だから、何かを始めるときには、「すぐに結果が出なくても、コツコツと努力を続けていけば、いつかは成功する」という気持ちを忘れないでほしいんだよ。
「雨垂れ石を穿つ」の使い方
「雨垂れ石を穿つ」の例文
- 小さな下町の工場で誰にも見向きされなかったが、雨垂れ石を穿つでやっと努力の成果が実り、世界一位の技術を勝ち取ることができた。
- 英語が苦手だったが、雨垂れ石を穿つだと思って、毎日二時間英語を勉強するようにした。だんだん英語が分かるようになり、今では得意科目の一つになった。
- 学生の時に仲間と起業したが、最初の頃は手探り状態だった経営も、雨垂れ石を穿つというやつで地道な営業でなんとか軌道に乗った。
- 中学の時から英語が苦手だった僕に、「まずは単語を1日に数個覚えたら?」と友人にアドバイスをもらいコツコツ覚えていたら、高校で英語の教師をすることになった。まさに、雨垂れ石を穿つだね。
- 毎朝ランニングを続けていたら、雨垂れ石を穿つで、運動会のリレーで1位になった。
- 雨垂れ石を穿つという言葉を信用しなかったばかりに、老後の蓄えが全然ない状態を引き起こしてしまった。
「雨垂れ石を穿つ」を英語で言うと?
「雨垂れ石を穿つ」の英語表現をご紹介します。
※英語の声:音読さん
Constant dripping wears the stone.
- 意味:絶えず垂れ落ちる滴は石にさえ穴を開ける。