「虻蜂取らず」の意味(語源由来・類義語・対義語)
【ことわざ】
虻蜂取らず
【読み方】
あぶはちとらず
【意味】
二つを同時に手に入れようとすると、両方とも手に入らない。また、二つのことを一度にしようとしても、どちらもできなくなる。
あんまり欲張りすぎると、逆に何も手に入らへんってこと。これは、一つずつ確実にことを進めることの大切さを教えてくれる言葉やな。
【語源由来】
虻と蜂を餌にする蜘蛛からしたら、自分の巣に引っかかった餌を食べたい衝動に駆られる。しかし、蜘蛛は欲望深く、片方だけでなくどちらも取りたいと欲を出してしまうが、結局上手くいかず両方とも逃してしまうという姿から転じてきている。
【類義語】
・一も取らず二も取らず
・心は二つ身は一つ
・大欲は無欲に似たり
・二兎を追う者は一兎をも得ず
・花も折らず実も取らず
・右手に円を描き、左手に方を描く
・欲の熊鷹股裂くる
・欲張って糞垂れる
・欲は身を失う
【対義語】
・一挙両得
・一石二鳥
・一箭双雕
「虻蜂取らず」の解説
「虻蜂取らず」っていうことわざはね、自分が欲しいものがたくさんあって全部手に入れようと思っても、全部を一度に手に入れるのは難しい、っていう意味があるんだよ。
この言葉は、クモが自分の巣にかかった虻(あぶ)を捕まえようとしたところ、蜂も巣にかかったから、虻を放っておいて蜂を捕まえようとしたんだ。でも、虻が逃げようとするから、また虻の方に行くと、蜂が逃げようとするんだよね。そうやってあっちこっち行ったり来たりしている間に、結局、虻も蜂も逃げてしまって、どちらも捕まえられなかったんだ。
だから、「虻蜂取らず」っていう言葉は、いろんなことを同時にやろうとしたせいで、結局何も手に入らなかった、っていう失敗を表しているんだよ。1つのことに集中してやるべきだったのに、欲張って全部を狙った結果、何も手に入らなかった、っていう教えがこのことわざには込められているんだよ。
つまり、欲張って何も得られなかった上に、さらに損する、っていう意味なんだ。
「虻蜂取らず」の使い方
「虻蜂取らず」の例文
- ゲームと勉強を同時にやろうとしたが、どちらもうまくいかず、虻蜂取らずの状態になってしまった。
- 友だちと洋服を買いに来たけれど、あれもこれもと決まらないうちに、お店が閉店してしまった。虻蜂取らずになってがっかりした。
- 歌手としてデビューしたが、やがて演技もしたくなり両方することにしたらどちらも鳴かず飛ばずの状態になってしまった。これが虻蜂取らずか、と理解したが時すでに遅かった。
- お気に入りのカバンと財布を見つけたが、どちらを先に買うか迷っている間に両方売れてしまった。虻蜂取らずだ。
- 虻蜂取らずに終わることだけはしたくなかったので、人の2倍努力し両方とも手に入れた。
- 彼は仕事と趣味を両立しようとしたが、どちらも中途半端になってしまい、まさに虻蜂取らずの状態だった。
「虻蜂取らず」を英語で言うと?
「虻蜂取らず」の英語表現をご紹介します。
※英語の声:音読さん
Between two stools the tail goes to ground.
- 意味:二つのいすの間で尻もちをつく。
つまり、欲張りすぎて手を広げ過ぎると、結局何も得られない、という警告を込めた表現なんだよ。