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【朝酒は門田を売っても飲め】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・対義語・英語)

朝酒は門田を売っても飲め

【ことわざ】
朝酒は門田を売っても飲め

【読み方】
あさざけはかどたをうってものめ

【意味】
朝に飲む酒はとくにうまいので、大切な門田を売ってでも飲むだけの値打ちがあるということ。朝酒のうまさを大げさにほめたことば。

ことわざ博士
このことわざは、朝酒の味を強くほめるための誇張した言い方なんだよ。
助手ねこ
本当に田を売る話ではなく、それほどまでに朝酒が格別だという気持ちを表すときに用いるニャン。

【英語】
・A morning drink is worth any price.(朝の酒はどんな代価を払っても惜しくない)
・Even if you sell your best field, have a morning drink.(大切な田を売ってでも朝酒を飲め)
・Morning sake is worth any sacrifice.(朝酒はどんな犠牲を払っても飲む値打ちがある)

【類義語】
・朝酒は女房を質に置いても飲め(あさざけはにょうぼうをしちにおいてものめ)
・朝酒は牛売ってでも飲め(あさざけはうしうってでものめ)
・五割の金を借りても朝酒は飲め(ごわりのかねをかりてもあさざけはのめ)

【対義語】
・朝寝朝酒は貧乏の元(あさねあさざけはびんぼうのもと)
・酒と朝寝は貧乏の近道(さけとあさねはびんぼうのちかみち)
・朝酒はじれのもと(あさざけはじれのもと)

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「朝酒は門田を売っても飲め」の語源・由来

ことわざを深掘り

このことわざは、朝に飲む酒のうまさを、思い切った誇張で言い表したものです。言い切り方は強いですが、教訓を述べるというより、朝酒をおもしろくほめる気分の濃いことばです。

まず「朝酒」ということば自体は古く、1603年〜1604年(慶長8年〜9年・江戸時代前期)の『日葡辞書(にっぽじしょ)』にすでに出てきます。さらに、1706年ごろ(宝永3年ごろ・江戸時代中期)の浄瑠璃(じょうるり)『堀川波鼓(ほりかわなみのつづみ)』にも用例があり、朝に酒を飲むことが早くから知られた言い方だったことが分かります。

朝酒にあたる古い言い方としては、「卯酒(ぼうしゅ)」もあります。これは卯の刻、今の朝六時ごろの酒を指すことばで、『大鏡(おおかがみ)』のような古い書物にも出てくるため、朝に酒を飲むという習慣や発想そのものは、このことわざよりずっと前から人びとの暮らしの中にあったと考えられます。

つぎに「門田」です。門田は、門の近くにある田、つまり家の前や屋敷のそばにある田を指すことばで、8世紀後半(奈良時代)の『万葉集(まんようしゅう)』や、11世紀初め(平安時代中期)の『源氏物語(げんじものがたり)』にも出てきます。

門田は、ただ家に近い田というだけではありませんでした。古い土地制度のもとでは、門田や垣内田(かきつた:屋敷内や屋敷に接した田)は私有が認められる田として扱われたこともあり、生活を支える大切な耕地として意識されていました。

中世になると、門田は屋敷の門前に広がる付属の耕地として、さらに重みを持つようになります。屋敷に近くて耕作しやすく、水利や地味にも恵まれ、年貢や公事が免除されることもあったため、家にとって価値の高い田として大切にされました。

このことわざで「売ってもよいもの」として門田が選ばれているのは、その田が家の暮らしを支えるほど大事な田だったからです。つまり、ただの田ではなく、手放すには惜しい田を持ち出すことで、朝酒のうまさを思い切り大きく言っているのです。

この言い方が一つだけで終わらなかったことも、由来を考えるうえで大事です。「朝酒は牛売ってでも飲め」「朝酒は女房を質に置いても飲め」「五割の金を借りても朝酒は飲め」など、同じ考え方のことわざがいくつも伝わっています。どれも、何か大切なものを差し出してでも朝酒を飲みたい、という大げさな形で朝酒を礼賛しています。

その一方で、「朝酒は後を引く」「朝酒はじれのもと」「酒と朝寝は貧乏の近道」のように、朝酒をいさめることばもあります。つまり昔の人びとは、朝酒をうまいものとして知りつつも、度を過ごせばよくないとも考えており、このことわざはその中でも、とくに朝酒の魅力をおもしろく言い立てた側の表現だといえます。

こうして見ると、「朝酒は門田を売っても飲め」は、古くからある「朝酒」という暮らしのことばと、生活を支える大事な田であった「門田」とが結びついて生まれたことわざです。朝酒の味を本気半分、冗談半分で最大級にほめたところに、このことわざのおもしろさと時代の生活感覚がよく表れています。

「朝酒は門田を売っても飲め」の使い方

ともこ
お正月の朝、おじいちゃんがお屠蘇を飲みながら、朝酒は門田を売っても飲めって笑っていたの。
健太
そんなにおいしいの?門田を売るって、ずいぶん大げさな言い方だね!
ともこ
うん、本当に田んぼを売るんじゃなくて、それほど朝のお酒は格別だってほめているんだと思うよ。
健太
なるほど、気持ちの大きさを言ったことばなんだね。おじいちゃんが朝からうれしそうだったわけが分かったよ。
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「朝酒は門田を売っても飲め」の例文

例文
  1. 祖父は元日の朝、朝酒は門田を売っても飲めと言って屠蘇をゆっくり味わった。
  2. 温泉宿の朝風呂あがりに、朝酒は門田を売っても飲めという気分になる客もいる。
  3. 落語の登場人物が、朝酒は門田を売っても飲めと豪快に言い放つ場面に客席がわいた。
  4. 酒好きの叔父は、朝酒は門田を売っても飲めを口ぐせのようにしている。
  5. この随筆では、朝酒は門田を売っても飲めということわざで、朝酒のうまさを大げさにほめている。
  6. 朝酒をいさめる文章の中で、朝酒は門田を売っても飲めという言い方が皮肉として引かれることがある。




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