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「飼い犬に手を噛まれる」の意味(語源由来・類義語・対義語)
【ことわざ】
飼い犬に手を噛まれる
【読み方】
かいいぬにてをかまれる
【意味】
世話をしていた者や信用していた者に、裏切られたり害を加えられたりすること。
これは、人の信頼を裏切ったら、それがどんなに痛いことかを教えてくれる言葉やな。
【語源由来】
可愛がって面倒をみていた飼い犬に手をかまれたことから。
【類義語】
・愛犬に手を噛まれる
・後足で砂をかける
・恩を仇で返す
・陰に居て枝を折る
・片屋貸して母屋取られる
・獅子身中の虫
・借家栄えて母屋倒れる
・鉈を貸して山を伐られる
・軒を貸して母屋を取られる
・庇を貸して母屋を取られる
・恩を知る者は少なく恩をきる者は多し
・飼い飼う虫に手を食われる
・灰猫に手を食われる
・手飼いの犬に噛まれる
・手飼いの犬に足をくわるる
・飼い犬に足を食われる
・飼い養う犬に手を噛まれる
【対義語】
・犬は三日飼えば三年恩を忘れぬ
・犬はその主を知る
・犬は三日の恩を三年忘れず猫は三年の恩を三日で忘れる
・飼い飼う犬も主を知る
「飼い犬に手を噛まれる」の解説
「飼い犬に手を噛まれる」っていうことわざは、「自分が面倒を見て育てた犬が、自分の手を噛む」という意味が原点なんだよ。これは実際に犬が飼い主を噛むということが極めてまれであるという犬の性質から来ているんだ。
犬は基本的に群れを作って生活する習性を持っていて、その群れの中でリーダーとその他のメンバーという縦の関係が形成されるんだ。飼い主とペットの犬との間でも同様に、飼い主がリーダーと認識され、犬はその下位に位置するという社会構造ができ上がるんだよね。
だから、犬が飼い主に向かって攻撃的な行動を取ることはほとんどない。それなのに自分が育てた犬が自分を噛むという状況が生じるとすれば、それは普通ではありえない、何か特別な事情があるということを示しているわけだ。
それを比喩的に表現したものが「飼い犬に手を噛まれる」っていう言葉で、これは「自分が育ててきた人物や組織から裏切られる、害を被る」っていう意味で使われるようになったんだよ。
「飼い犬に手を噛まれる」の使い方
「飼い犬に手を噛まれる」の例文
- 入社当時から面倒見ていたのに、まさかプレゼンの内容を盗まれるとは。飼い犬に手を噛まれるとは、まさにこのことか。
- 健太くんは地区のサッカークラブで鈴木監督に教わり、チームのエースに成長した。それなのに、ライバルのチームに移るとは、監督は飼い犬に手を噛まれた気持ちだろう。
- 明日のおやつをつまみ食いとき、妹にも分けてあげたのに、父に言いつけられた。飼い犬に手を噛まれたよ。
- 彼女はいつも世話をしてきた後輩に裏切られ、飼い犬に手を噛まれたような気分になった。
- あの社員は、上司や同僚に支援されながら成長してきたが、最近の行動によって飼い犬に手を噛まれたと思われている。
- 彼女と長年付き合っていたが、浮気されたことが発覚して、「飼い犬に手を噛まれた」と痛感した。
【注意!】間違った例文
❌「大親友のともこちゃんに裏切られるとは、まさに飼い犬に手を噛まれるだ。」
「飼い犬に手を噛まれる」の文学作品などの用例
それは全く災難として同情をしてあげるほかないが、それにしてもあれほどの奥方が、あまり失望落胆なさりかたが強過ぎる、それは多年信用して召使った飼犬に手を噛まれたのは、残念にも、業腹にも違いないが、こちらに誰も命の怪我はないし、その悪い奴は覿面に命を落としてしまったし、それに盗られたお金も無事で戻ったし、それでいいじゃないの(中里介山の大菩薩峠より)
「飼い犬に手を噛まれる」を英語で言うと?
「飼い犬に手を噛まれる」の英語表現をご紹介します。
※英語の声:音読さん
Breed up a crow and she will peck out your eyes.
- 意味:烏を育ててみよ、奴は君の目玉を突っ突き出すぞ。
つまり、信じていた人に裏切られるという辛い経験を表現しているんだ。