【金は湧き物】の意味と使い方や例文!語源由来は?!語源由来は?(類義語)

金は湧き物

【ことわざ】
金は湧き物

【読み方】
かねはわきもの

【意味】
金銭は思いがけなく手に入ることもあるのだから、今なくてもくよくよすることはないということ。

ことわざ博士
金は湧き物は、金銭を、水のように思いがけない所から生じるものにたとえた言い方だよ。
助手ねこ
金に困っている人を励まし、先のことまで悲観しないように諭す場面で用いるニャン。

【類義語】
・金銀は湧き物(きんぎんはわきもの)
・宝は湧き物(たからはわきもの)
・金は天下の回り物(かねはてんかのまわりもの)

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「金は湧き物」の語源・由来

ことわざを深掘り

「湧き物」は、自然に湧き出るものや、人の手で作り出さなくても生じるものを指します。「湧く」という言葉からは、地中から水が湧き出る様子が思い浮かびます。

「金は湧き物」は、その水の姿を金銭に重ねたことわざです。今は手元に金がなくても、思いがけない所から入ってくる場合があるため、必要以上に心配することはないと励まします。

文献上の早い用例は、俳諧集『飛梅千句(とびうめせんく)』(1679年・江戸時代前期、井原西鶴編)にあります。この作品は、延宝7年に刊行された、西鶴らによる俳諧の集成です。

そこには、先行する句を受けて、西鶴が「それほどのかねはわき物山は水」と付けた箇所があります。山から水が湧き出るように、金も思いがけず生じるものだという発想を、短い付け句に表しています。

この用例では、現在のような漢字交じりの「金は湧き物」ではなく、「かねはわき物」と書かれています。しかし、「金銭」と「自然に湧き出るもの」とを結び付けるたとえは、すでに現在のことわざと共通しています。

井原西鶴の浮世草子『好色一代女(こうしょくいちだいおんな)』(1686年・江戸時代前期、井原西鶴著)には、「金銀は涌物と、色好むうちに五十余歳になりぬ」とあります。ここでは、「金」ではなく「金銀」、「湧」ではなく異体の「涌」を用いた形が出てきます。

『飛梅千句』から七年後の作品にも同じ発想が現れていることから、「金銭は自然に湧くもの」という言い方が、江戸時代前期に繰り返し用いられていたことが分かります。主語は「金」「金銀」と変わっても、たとえの中心は変わりません。

さらに、太田全斎の国語辞書『諺苑(げんえん)』(1797年・江戸時代後期、太田全斎著)には、「金銀は涌もの」という形が収められています。『諺苑』は、当時の俗語やことわざを集めて並べ、その意味や出典を示した書物です。

幕末の歌舞伎『網模様燈籠菊桐(あみもようとうろのきくきり)』(1857年・江戸時代後期、河竹黙阿弥著)にも、「金銀は世界の湧物」という形が出てきます。「世界」という言葉を添えることで、金銀は世の中のどこからでも生じ得るものだという考えを、いっそう強く表しています。

このように、古くは「かねはわき物」と書かれ、のちには「金銀は湧き物」「宝は湧き物」など、主語や表記を変えた形でも用いられました。現在は、「金は湧き物」の形で、思いがけない収入もあるのだから、今の不足だけを見て悲観するなという意味を表します。

ただし、何もしなくても必ず金が手に入ると保証する言葉ではありません。将来、予想しなかった道が開けることもあるため、金がないからといって気持ちまで失わないように励ますことわざです。

「金は湧き物」の使い方

健太
図工の材料を買ったら、おこづかいがほとんどなくなっちゃったよ……。
ともこ
来週、おばさんのお店を手伝えば、お礼をもらえるかもしれないって言ってたじゃない。
健太
そうか。金は湧き物というし、今ないからって、くよくよしないことにする!
ともこ
うん。でも、ただ待つだけじゃなくて、お手伝いと節約もきちんと続けようね。
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「金は湧き物」の例文

例文
  • 急な出費で財布が空になったが、祖母は金は湧き物と言って落ち込まなかった。
  • 思いがけない臨時収入を得た父は、金は湧き物とはこのことかと笑った。
  • 店の資金繰りに悩む叔父を、母は金は湧き物だから今から悲観するなと励ました。
  • 奨学金の採用通知が届き、彼は金は湧き物という言葉を思い出した。
  • 金は湧き物と楽観するだけでなく、収入を得るための努力も続けるべきだ。
  • 仕事を失っても、彼女は金は湧き物と自分に言い聞かせ、新しい職を探した。

主な参考文献
・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・松村明監修、小学館大辞泉編集部編『大辞泉 第二版』小学館、2012年。
・佐竹秀雄・武田勝昭・伊藤高雄編、北村孝一監修『故事俗信ことわざ大辞典 第二版』小学館、2012年。
・中村俊定編『近世俳諧資料集成 第1巻』講談社、1976年。
・井原西鶴編『飛梅千句』1679年。
・井原西鶴『好色一代女』1686年。
・太田全斎『諺苑』1797年。
・河竹黙阿弥『網模様燈籠菊桐』1857年。


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