「越鳥南枝に巣くい、胡馬北風に嘶く」の意味(出典)
【ことわざ】
越鳥南枝に巣くい、胡馬北風に嘶く
【読み方】
えっちょうなんしにすくい、こばほくふうにいななく
【意味】
故郷は忘れがたいことのたとえ。
どんなに遠くに行ったとしても、心の中にはずっと故郷のことがある、そんな気持ちを教えてくれる言葉やな。
「文選」にある詩の「行行重行行」
訳の一例は「あなたは先に先に行ってしまった、あなたと生きながら離れ離れになり、いまではそれぞれが遠く離れてしまいましたね。わたしたちを隔(へだ)てる道は険しくかつ遠い、お会いできるかどうか心もとないのが悲しい、胡馬は北風に乗って走り、越鳥は南国の枝に巣食う=(故郷は忘れがたい)というではありませんか。=(あなたは故郷を忘れてしまったのですか。)・・・(最後)食事をしっかりしてお体を大切にしてください。」遠い旅(戦争?)に出た夫を恋い慕う(こいしたう)妻のせつない心情(しんじょう)を詠(よ)んだ詩です。
「越鳥南枝に巣くい、胡馬北風に嘶く」の解説
「越鳥南枝に巣くい、胡馬北風に嘶く」っていう言葉はね、故郷を忘れられない、故郷をとても恋しく思うという気持ちを表しているんだよ。
この表現は、古い中国の詩から来ていて、南方の越の国から来た鳥が、樹木の南側の枝に巣を作るという話と、北方の胡の国から来た馬が、北風が吹くと故郷を思い出して鳴き声を上げるという話を元にしているんだ。
例えばね、遠くに引っ越してしまったけど、昔住んでいた町や家族と過ごした家をすごく恋しく思うときにこの言葉を使うんだよ。あるいは、学校の卒業や友達との別れなどで、過去の良い思い出や、楽しかった場所を思い出して、その場所や人々をすごく恋しく思うときにも使うんだ。
「越鳥南枝に巣くい、胡馬北風に嘶く」は、故郷を忘れられない、故郷をとても恋しく思うという、人間の深い感情を表している言葉なんだよね。
「越鳥南枝に巣くい、胡馬北風に嘶く」の使い方
「越鳥南枝に巣くい、胡馬北風に嘶く」の例文
- そういえば長いこと実家に帰っていないな、越鳥南枝に巣くい、胡馬北風に嘶く、両親に顔見せに帰るか。
- 越鳥南枝に巣くい、胡馬北風に嘶く、生まれ育った地で仕事をしたいが、都会にしか仕事がないのが現実です。
- 交通機関が発達した現代において、故郷に関して越鳥南枝に巣くい、胡馬北風に嘶くというような感覚を持つ人がどれだけ多いのでしょうか。
- このシマウマも、越鳥南枝に巣くい、胡馬北風に嘶く、動物園ではエサもあって危険は少ないけど、やっぱり故郷に帰りたいのだろうな。
まとめ
別離(べつり)の詩として有名です。なにか理由があって妻から離れていったのか、離れざるをえなかったのか。生活を守るため遠隔地の仕事に行ったのかもれません。「行」は行軍(こうぐん)を意味して兵隊として戦争のために遠くに行ってしまったのかもしれませんね。いずれにしても、最後の言葉に妻の切ない愛情が込められていて感動してしまいます。