【ことわざ】
疑心暗鬼を生ず
「疑心、暗鬼を生ず」と、区切って読む。
「疑心暗鬼を作る」「疑心暗鬼」ともいう。
「疑心暗鬼を作る」「疑心暗鬼」ともいう。
【読み方】
ぎしんあんきをしょうず
【意味】
疑ってかかると、なんでもないことも不安になり、疑わしく思えるというたとえ。
【語源・由来】
中国の『列子』にあることば。疑いの心で見ると、暗闇の中にいるはずのない鬼の姿が見えてくるということから。
【類義語】
・杯中の蛇影(はいちゅうのだえい)
・窃鈇の疑い(せっぷのうたがい)
・幽霊の正体見たり枯れ尾花(ゆうれいのしょうたいみたりかれおばな)
・落ち武者は薄の穂にも怖ず(おちむしゃはすすきのほにもおず)
・疑えば目に鬼を見る(うたがえばめにおにをみる)
【英語訳】
To fight with one’s own shadow.
An easy thing also looks doubtful if it sees with the mind of doubt.
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「疑心暗鬼を生ず」の使い方
仲間で秘密にしていたことが、みんなに知られているんだ。
もしかして、誰かが秘密を打ち明けてしまったの?
そうかもしれない。誰が犯人なのか考えているうちに、全員が犯人に思えてきた。
疑心暗鬼を生ずで、仲間を疑ってしまっているのね。
「疑心暗鬼を生ず」の例文
- 先生への密告が明らかになって、クラスメイトが疑心暗鬼を生ずことになった。
- 疑心暗鬼を生ずで、玄関に置いてあるバットまで凶器に思えてしまう。
- 疑心暗鬼を生ずというけれど、今回の事件の犯人はこのメンバーの中にいるとしか思えない。
- 近所でごみが荒らされていた。それ以来、疑心暗鬼を生ずで関係がぎくしゃくしている。
「疑心暗鬼を生ず」の文学作品などの用例
かの道なき所に道あるように覚え、水ある所に水なきように思い、狐に左右せられて進退するなどは、狐を恐るるより疑心暗鬼を生ずるに至り、一時の幻覚、妄境を現ずるのである。そのくわしき説明は、心理学を研究せねばならぬ。(井上円了の迷信解より)