「痛し痒し」の意味(語源由来・類義語)
【ことわざ】
痛し痒し
【読み方】
いたしかゆし
【意味】
一方がうまくいくと、もう一方がうまくいかないので、どうしたらよいか決められないようす。
どちらかを選んだら、それには必ずしも良い面だけではなく、悪い面もついてくるってことや。これは、選択や優先順位を考える時にはバランスを取る必要があるって教えてくれる言葉やな。
【語源・由来】
かゆいのでかくと痛くなるし、かかないとかゆいということから。
【類義語】
・あちら立てればこちらが立たず
・彼方に良ければ此方の怨み
・右を踏めば左があがる
・両方立てれば身が立たぬ
「痛し痒し」の解説
「痛し痒し」っていうことわざはね、二つの選択肢のどちらを選んでも結果が良くなさそうで、どうしたらいいか迷ってしまう状況を表しているんだよ。
例えばね、お母さんに頼まれてゲームを手伝う友達の家へ行くか、テスト勉強をするか迷っているとき、どちらを選んでも何か問題が出てくるんだよね。友達の家に行けば、勉強がおろそかになる。でも、勉強をしたら友達を手伝う約束を破ることになっちゃう。どちらを選んでも、なんだか良くない結果になりそうで、そのような状況を「痛し痒し」と言うんだよ。
「痛し痒し」は文字通り「痛いか、痒いか」っていう意味だから、どちらを選んでも何か問題が出てきて、満足できない状況を表しているんだね。
「痛し痒し」の使い方
「痛し痒し」の例文
- 痛し痒しの選択はしたくないが、そうせざるを得ない状態です。この計画でいきますか。
- あなたの提案は画期的です。しかしながら、基準を超えたリスクも伴います。判断に苦しみます痛し痒しですね。
- 市場からの撤退を速やかに決断しないともう限界です。痛し痒しですが仕方ないことだと考えます。
- 母に料理を教えてもらえるのは嬉しいけれど、そのあと長いおしゃべりにつきあわなければならないので、痛し痒しだ。
- 今度の制度改革はしかたないことだと思いますが、会員にとってみれば痛し痒しです。
「痛し痒し」の文学作品などの用例
王政維新の実を挙げ、朝廷の実力を発揮するためには、幕府に一撃を与えて、実力的に圧倒することが必要だと思っていたから幕府からの大政奉還は、痛し痒しであったのである。(菊池寛の鳥羽伏見の戦より)
まとめ
止めたくても止めることができないことがあります。面子(めんつ)を保とうとして無理をしてお付き合いをする場合もあります。やりたくもないことをやらざるを得ないことがあります。現在はストレス社会なのでしょう。せめて私生活では痛し痒しの判断をすることがないようにつとめたいと思います。