「間髪を入れず」の意味とは?
【慣用句】
間髪を入れず
【読み方】
かんはつをいれず
【意味】
事が差し迫っている状況、また、間をおかずに直ちにするたとえ。
「間髪を入れず」の故事
【故事】
髪の毛一本入れる余地もないことから。前漢の時、呉王・劉濞(りゅうひ)が漢に恨みを持ち謀反を起こそうとした。すると、郎中の枚乗(ばいじょう)がそれを諌めてこう言った。「王の行為は、糸に千鈞もの重りをつけ、際限なく高いところから計り知れないほどに深い淵に吊り下げるようなものです。一旦糸が切れてしまうと二度と出られないでしょう。出ようにも、【その隙間は髪の毛一本も入らないほどです】」(『説苑』正諌より)
「間髪を入れず」の由来は、前漢の時代の話から来ているんだよ。
その時、呉王・劉濞(リュウヒ)は漢に対して恨みを持っていて、反乱を起こそうと考えていたんだ。でも、彼の部下である枚乗(バイジョウ)はそれを止めるために劉濞(リュウヒ)に対してこんな風に言ったんだ。「王さまの考えは、とても重い物を紐に結んで、とても高い場所からとても深い淵(ふち)に吊るすようなものです。もし紐が切れたら、二度と出られないでしょう。出ようにも、その隙間は髪の毛一本も入らないほどです」。
つまり、「間髪を入れず」とは、髪の毛一本も入らないほどの非常に短い時間、すなわち、時間がほとんどないという状況を表しているんだよ。
「間髪を入れず」の使い方
「間髪を入れず」の例文
- 神様に願い事は何だねと聞かれ、間髪を入れずにお金持ちになりたいと答えた。
- 我が家の夕食では、間髪を入れずに言葉が入ってくる、会話の多い家族である。
- 夕食の時間、母に「おかわりする人?」と聞かれたので、間髪を入れずに手をあげた。
- 彼の間髪を入れずの再就職から察するに、打診はかなり前からあったのだろう。
- 彼女の答え方を僕は、好ましく思うのだが、それは、間髪を入れず返答があるからだ。
- 大阪育ちの彼は、誰かが面白いことを言うと間髪を入れずツッコミを入れる。
「間髪を入れず」の文学作品などの用例
小説の妙訣は、印象の正確を期するところにあるというお言葉は、間髪をいれず、立派でございましたが、私の再度の訴えもそこから出発していた筈であります。(太宰治の風の便りより)