『〈試験に出る〉マンガでわかる すごいことわざ図鑑』講談社より出版。詳細はコチラ!

【刀は武士の魂】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・英語)

刀は武士の魂

【ことわざ】
刀は武士の魂

【読み方】
かたなはぶしのたましい

【意味】
刀は、武士にとって精神や誇りが宿るほど大切なものだというたとえ。転じて、その人にとって欠かすことのできない大切なものを表す。

ことわざ博士
刀は、武器であると同時に、江戸時代には武士の身分や誇りを示すものとして重んじられたんだよ。
助手ねこ
大切な道具や仕事道具、または自分の誇りを支えるものを、特別に大事にする場面で用いるニャン。

【英語】
・The sword is the soul of the samurai.(刀は侍の魂)

【類義語】
・大小は武士の魂(だいしょうはぶしのたましい)

【スポンサーリンク】

「刀は武士の魂」の語源・由来

ことわざを深掘り

「刀は武士の魂」は、武士にとって刀が単なる武器ではなく、自分の精神や誇りを映す大切なものと考えられたことから生まれたことわざです。ここでいう「魂」は、命そのものだけでなく、「それなしではそのものがありえないほど大事なもの」という意味を表します。

「刀」は、もともと片刃の刃物や武器を指す言葉です。江戸時代には、武士が脇差(わきざし)とともに差した大刀(だいとう)を指す意味でも用いられました。

江戸時代の武士は、大刀と小刀を腰に帯びることで、身分や立場を示しました。「大小」は大刀と小刀を指し、「大小を腰に帯びる」という言い方もありました。

「帯刀(たいとう)」は、刀を帯びること、または帯びている刀を指します。江戸時代には、大小刀を帯びることが武士の特権となり、武士と庶民を分ける重要な基準になりました。

このため、刀は武士の身分を外から示すものとなると同時に、武士自身の誇りや心構えを表すものにもなりました。近世を通じて、帯刀は武士の特権意識の象徴となり、「刀は武士の魂」とまでいわれるようになりました。

古い用例としては、『栬狩剣本地(もみじがり つるぎのほんじ)』(1714年・江戸時代、近松門左衛門作)の二段目に、「鏡は女の魂武士のたちかたな」とあります。現在の形そのものではありませんが、鏡を女性にとって大切なもの、太刀・刀を武士にとって大切なものとして並べる考えが、すでに浄瑠璃(じょうるり)の表現に出ています。

この表現では、「鏡は女の魂」と「武士の太刀刀」が対になっています。つまり、当時の言い方の中で、鏡と刀が、それぞれの立場にとって失えないほど大事なものとして扱われていたことが分かります。

のちに、「刀は武士の魂」「鏡は女の魂」と並べていう形が広まりました。「鏡は女の魂」は、「刀は武士の魂」に続けていうことが多い言い方として伝わっています。

また、刀を一本の「刀」としていうだけでなく、大刀と小刀を合わせた「大小」を用いて、「大小は武士の魂」ともいいます。この言い方は、大刀・小刀に武士の精神が宿る、また大小の刀が武士の精神の象徴である、という意味を表します。

明治時代になると、1876年に廃刀令(はいとうれい)が出され、大礼服着用者や軍人・警察官などを除いて、刀剣の携帯が禁じられました。これによって、日常的に刀を帯びる武士の姿は、制度の上でも過去のものになりました。

それでも、「刀は武士の魂」ということわざは、刀が武士の身分、誇り、心構えを象徴したという歴史的な見方を伝え続けました。現在では、武士そのものを語る場合だけでなく、人が大切にする道具や信念を重んじるたとえとしても理解されます。

「刀は武士の魂」の使い方

健太
おじいちゃんが使っていた大工道具、古いけれど、すごく大事にしてるね。
ともこ
この鉋は、おじいちゃんが何十年も使った仕事道具なんだって。刃も箱もぴかぴかに手入れしてあるよ!
健太
まるで刀は武士の魂みたいだね。おじいちゃんにとって、この鉋は仕事への誇りそのものなんだ。
ともこ
うん。使わない日も大切に磨くところに、仕事を大事にしてきた気持ちが伝わるね。
【スポンサーリンク】

「刀は武士の魂」の例文

例文
  • 祖父は長年使った包丁を、刀は武士の魂のように大切に手入れしている。
  • 職人にとって道具は命であり、刀は武士の魂という言葉がよく当てはまる。
  • そのカメラは父にとって、刀は武士の魂ともいうべき大切な仕事道具だった。
  • 彼女は試合用のラケットを、刀は武士の魂のように丁寧に扱っている。
  • 研究者にとって記録ノートは、刀は武士の魂にたとえられるほど重要なものだ。
  • 店主は使い込んだそろばんを、刀は武士の魂として今も机の上に置いている。

主な参考文献
・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・松村明監修『大辞泉 第二版』小学館、2012年。
・平凡社編『改訂新版 世界大百科事典』平凡社、2007年。
・近松門左衛門『栬狩剣本地』1714年。
・“The Japanese Sword. Katana wa Bushi no tamashii (The Sword Is the Soul of the Samurai),” Museum of Fine Arts Bulletin, Vol.4, No.21, 1906.





『〈試験に出る〉マンガでわかる すごいことわざ図鑑』(講談社)発売中♪

マンガでわかる ことわざ図鑑

◆試験に出ることわざを網羅
ことわざは小学、中学、高校、大学、さらに就職試験の問題になっています。ことわざの試験対策としてもオススメの一冊。

◆マンガで楽しみながらことわざを知る! 憶える!
本書では、マンガで楽しくわかりやすくことわざを解説し、記憶に定着させます。