「コップの中の嵐」の意味(語源由来・類義語・英語訳)
【ことわざ】
コップの中の嵐
【読み方】
こっぷのなかのあらし
【意味】
当事者には大事 (おおごと) でも、他にあまり影響せずに終わってしまうもめごと。ある限られた範囲内で起きた、大局には影響のないもめごと。
コップの中では大きな波が立っても、大きな海では小さな波みたいなもんやね。自分の中での大事件も、他の人にはそんなに大きくないこともあるんやな。
【語源・由来】
出典はコメディ劇の題名 A STORM IN A TEACUP(1845年 William Bayle Bernard作)で、それが日本語として定着したものという説があります。1936年の同じ題名のヴィヴィアン・リー主演アメリカ映画では「茶碗の中の嵐」と翻訳されています。
【類義語】
蝸牛角上の争い(かぎゅうかくじょうのあらそい)
【英語訳】
A storm in a teacup.(コップの中の嵐) A tempest in a teapot.という表現もあります。
「コップの中の嵐」の解説
「コップの中の嵐」っていう言葉、実は英語の「Storm in a Teacup」という言い回しからきているんだよ。この言葉の元々は、W=B=バーナードの劇のタイトルから来ているんだって。
この言葉の意味は、外から見ると大きな問題やトラブルのように見えても、実際にはそんなに大きなことじゃない、っていうことを表しているんだ。たとえば、友達同士でちょっとした言い争いがあっても、それが外の世界に影響することはなく、すぐに解決してしまうような小さなもめごとを指すんだよ。
コップの中で大きな嵐が起こっても、それがコップの外には影響しないっていうイメージだね。だから、ちょっとした問題やトラブルに過剰に反応しないように、冷静に考えることが大切っていうことを教えてくれているんだよ。
「コップの中の嵐」の使い方
「コップの中の嵐」の例文
- 次の学級長を誰にするかで隣のクラスの人たちが大騒ぎしているけど、他のクラスにとっては所詮(しょせん)コップの中の嵐です。
- 今回のリコール問題で営業部門では大騒ぎしているのにも係わらず、コップの中の嵐だといって総務部門では相手にする人が誰もいないことは、会社としての危機意識の低さを表しています。
- 教授の席を狙って学部内の権力闘争が起こっているらしいのですが、学生や大学全体からみればコップの中の嵐で、学部の評判を落とすだけでしょう。
- 長男の就職や次女の大学受験など他の人から見ればコップの中の嵐でしょうが、我が家にとってみれば台風並の大嵐です。
まとめ
日本語でコップというと水を飲むものや歯磨きで使用するものが直ぐ頭に浮かびます。その中で嵐が吹きあれると言われてもピンときませんね。イギリスが原点という説で使われているティーカップであれば、仲間と楽しむモーニングティーやアフタヌーンティーが風習であるイギリスの生活の中で、ひとときのうわさ話のひとつとして、自分達に影響にないことを題材におもしろおかしく会話しているシーンが思い浮かびます。