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【馬に乗るまでは牛に乗れ】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・対義語・英語)

馬に乗るまでは牛に乗れ

【ことわざ】
馬に乗るまでは牛に乗れ

【読み方】
うまにのるまではうしにのれ

【意味】
高い地位や大きな目標に進むには、その前に低い段階で力をつけなければならないということ。物事には順序があり、段階を踏んで進むべきだというたとえ。

ことわざ博士
馬にいきなり乗る前に、のろい牛に乗って慣れるという考えから成るよ。
助手ねこ
出世、勉強、習い事、仕事などで、いきなり上を目指さず、まず基礎や下積みを大切にする場面で用いるニャン。

【英語】
・walk before one can run(高度なことをする前に基礎を学ぶ)

【類義語】
・高きに登るは必ず低きよりす(たかきにのぼるはかならずひくきよりす)
・千里の行も一歩より起こる(せんりのこうもいっぽよりおこる)

【対義語】
・一足飛び(いっそくとび)

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「馬に乗るまでは牛に乗れ」の語源・由来

ことわざを深掘り

「馬に乗るまでは牛に乗れ」は、速い馬に乗る前に、まずのろい牛に乗って慣れる必要があるという、具体的な乗り物のたとえから生まれたことわざです。馬は速く進めるもの、牛はゆっくり進むものとして対比され、そこから段階を踏む大切さを表します。

このことわざの「馬」は、目指すべき高い地位や、すぐれた立場をたとえています。一方の「牛」は、その前に経験すべき低い地位や、基礎を身につける段階を表しています。

古い用例として重要なのが、狂言(きょうげん)の台本に出てくる形です。大蔵虎明は1597年から1662年に生きた江戸時代前期の狂言師で、1642年に大蔵流最初の台本『大蔵虎明本(おおくらとらあきらぼん)』を書写しました。

『大蔵虎明本』は、大蔵流狂言の祖本であり、室町時代末期から江戸時代初期にかけての狂言や、当時の言葉を知るうえで貴重な資料です。

このことわざは、その『大蔵虎明本』の狂言『入間川(いるまがは)』に古い形で出てきます。そこには、「馬にのるまでは牛にのせう」という表現があり、現在の「馬に乗るまでは牛に乗れ」に近い形を示しています。

『入間川』では、大名が従者に対して、国元へ帰ったら取り立ててやる、馬に乗せてやる、と言います。しかし続けて、まだ乗り慣れない馬に乗せると落ちるかもしれないので、馬に乗るまでは牛に乗せよう、と述べます。

この場面では、牛に乗ることは、すぐに高い待遇を受ける前の、一段低い扱いとして語られています。大名は後に、これは冗談であり、馬に乗るほどに取り立てるという意味だと説明しています。

そのため、このことわざの中心には、いきなり高いところへ進むのではなく、まず下の段階で慣れ、力をつけるという考えがあります。乗馬の比喩が、身分や出世の順序を表す教訓へ移ったものです。

後の『和泉流狂言大成』(1916〜1919年刊、山脇和泉著)に載る『入間川』にも、「馬に乗るまでは、牛に乗れと云ふ」という形が出てきます。ここでは、現在のことわざに近い言い回しとして、狂言の会話の中に用いられています。

古い形では「牛にのせう」と、人に牛へ乗せてやろうという言い方でした。現在のことわざでは「牛に乗れ」と命令形になり、一般の人に向けた教えとして、より短く整った形で使われています。

また、このことわざは、出世だけでなく、勉強や技術の習得にも当てはめて使うことができます。難しいことへ進む前に、まず初歩を固めるべきだという教えは、「高きに登るは必ず低きよりす」や「千里の行も一歩より起こる」と同じ方向の考えです。

現在では、急いで上を目指す人に対して、順序を大切にするよう促す言葉として使われます。馬に乗る華やかさよりも、牛に乗る地道な準備を大切にするところに、このことわざの教えがあります。

「馬に乗るまでは牛に乗れ」の使い方

健太
いきなり上級者向けのプログラミング講座に申し込もうかな。早くゲームを作れるようになりたいんだ!
ともこ
まだ基本の計算や画面の出し方を習ったばかりでしょう? 馬に乗るまでは牛に乗れだよ。
健太
たしかに、いきなり難しい講座だとついていけないかも。まず初級講座で練習するよ。
ともこ
うん! 基礎ができたら、ゲーム作りもきっと楽しくなるよ。
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「馬に乗るまでは牛に乗れ」の例文

例文
  • 馬に乗るまでは牛に乗れというから、まずは初心者向けの教材で基礎を固めた。
  • 新入社員には、馬に乗るまでは牛に乗れの考えで、簡単な仕事から経験を積ませる方針だ。
  • いきなり大会に出るより、馬に乗るまでは牛に乗れで、練習試合から始めるべきだ。
  • 馬に乗るまでは牛に乗れを忘れて難問ばかり解いたため、基本問題でつまずいた。
  • 料理を学ぶなら、馬に乗るまでは牛に乗れで、まず包丁の使い方から覚えるのがよい。
  • 父は、起業を急ぐ兄に、馬に乗るまでは牛に乗れと助言した。

主な参考文献
・佐竹秀雄・武田勝昭・伊藤高雄編、北村孝一監修『故事俗信ことわざ大辞典 第二版』小学館、2012年。
・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・大蔵虎明書写『大蔵虎明本』1642年。
・山脇和泉著『和泉流狂言大成』わんや江島伊兵衛、1916〜1919年。
・Merriam-Webster, Merriam-Webster.com Dictionary, Merriam-Webster.





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