「竽を好むに瑟を鼓す」の意味(出典・故事)
【ことわざ】
竽を好むに瑟を鼓す
【読み方】
うをこのむにしつをこす
【意味】
相手の好みに合わないことをすること。
たとえば、自分が焼肉が好きでも、相手がベジタリアンやったら焼肉屋に連れていったらあかんわな。自分の好きなものだけを押し付けると、相手を困らせるだけやからな。これは大事な教訓やな。
「韓愈」の答陳商書
【故事】
斉の国に仕えようとした者が、竽が好きな国王の門前で瑟をかき鳴らしたが、三年たっても中へ入れてもらえなかったという故事から。
「竽を好むに瑟を鼓す」の解説
「竽を好むに瑟を鼓す」っていうことわざは、自分が好きなことをやって、相手が喜ぶと思っているけど、実は相手の好みと全く合わないことをやってしまっている、っていう意味なんだよ。
たとえばね、友達の誕生日に、自分が大好きな漫画のキャラクターのフィギュアをプレゼントしたけど、その友達は全然そのキャラクターを知らない、または好きではない、という状況を想像してみて。それがまさに「竽を好むに瑟を鼓す」なんだよ。
「竽」と「瑟」っていうのは、どちらも古代の楽器で、「竽」は笙の一種で、「瑟」は大きな琴のことを指すんだ。「鼓す」は楽器を弾く、という意味だよ。だから、このことわざは、本来なら相手が好きな「竽」を鳴らすべきところを、自分の好きな「瑟」を鳴らしてしまっている、つまり、相手の好みに合わせることなく自分の好きなことをしてしまっている、という意味なんだね。
「竽を好むに瑟を鼓す」の使い方
「竽を好むに瑟を鼓す」の例文
- 贈り物は竽を好むに瑟を鼓すでは迷惑なだけだ。
- 相手のことを考えず、自分の好みでお歳暮を選ぶと竽を好むに瑟を鼓すとなるが、百貨店のお歳暮は割と喜ばれる。
- 消費者の好みに合わせないと、竽を好むに瑟を鼓すだと売り上げは伸びない。
- ともこちゃんに是が非でも好かれたいなら竽を好むに瑟を鼓すようなことはするべきではない。ありのままの自分を好きになってもらいたいなら話は別だが。
- チョコレートが嫌いな人に高級チョコレートをあげても竽を好むに瑟を鼓すだし、もったいない。