「助長」の意味(出典・故事)
【故事成語】
助長
【読み方】
じょちょう
【意味】
①その傾向を伸ばすこと。
②結果として、よくない傾向を強めてしまうこと。
へぇ、そうかいな。つまり、「助長」には物事を手助けする意味と、余計なことをしてしまって結果が悪くなるっていう二つの意味があるんやな。
何かを育てたり進めるために力を貸すこともあれば、逆に、必要以上に手を出してしまって問題を起こすこともあるってことや。特に後者は、過干渉がいかに良くない結果を招くかを教えてくれる言葉やな。うまく手助けすることも大事やけど、過剰な介入は避けるべきやってことや。
【出典】
「孟子」
【故事】
「孟子」より。中国、宋の人が苗を生長させようとして無理に引っ張って枯らしたという故事から。
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「助長」の故事
故事を簡単に説明!
「助長」の言葉の由来は、孟子という昔の中国の賢者の話によるものなんだよ。
孟子は弟子に対してこんな教えを伝えたんだ。「心を育てるのは、ちょうど作物を育てるようなものだよ。大切なのは、自然に成長するのを待つことなんだ。無理に早く成長させようとすると、逆効果になるよ。」
そして、孟子はその説明のために、こんな話をしたんだ。「宋という国に、農夫がいました。この農夫は自分の作物が早く大きくなるのを待ちきれず、苗を引っ張って無理に伸ばしてしまったんだ。でも、その結果、苗はみんな枯れてしまったよ。」
この話が、「助長」の言葉の由来になったんだよ。つまり、「助長」は、無理に手伝ったり応援したりすることで、逆に悪い結果を引き起こすことを表す言葉なんだね。
「助長」の使い方
健太くん。ゲーム機を買ったの?ただでさえ宿題をやらないのに、さらに勉強離れが助長されるじゃないの。よくお父さんたちが許してくれたわね。
ふふふ。良いでしょう?おばあちゃんがかわいい孫のために買ってくれたんだ。
あーあ。孫想いのおばあちゃんを利用するなんて、駄目な孫ね・・・。
大丈夫だよ。おばあちゃんのために少しは勉強をするよ。・・・多分。
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「助長」の例文
- 当時の日本社会をおおっていた不安感を助長することを恐れたので、出版を一時取りやめた。
- 事態を見極めるまで混乱を助長させかねない危険な人物は閉じ込めておくことにしよう。
- この作品の中には差別用語が含まれていますが、作者には差別を助長する意図はありませんし、また作者は故人でありますので、そのまま掲載しました。
- 猟奇的な作品が、凶悪犯罪の低年齢化を助長しているとの批判もある。
- その新聞記事は、多くの議論を助長するきっかけとなった。
一つ目は、ある物事の成長や発展を手助けすること、つまり何かを育てたり進めたりするために力を加えることを指す。二つ目の意味は、「孟子」に由来する故事から来ていて、不必要な力添えがかえって害を及ぼすことを示しているんだね。