「頭の黒い鼠」の意味
【ことわざ】
頭の黒い鼠
【読み方】
あたまのくろいねずみ
【意味】
家の中の物を盗む人のたとえ。物がなくなったときなどに、犯人はねずみではなく、家にいる人間であることをそれとなく言うことば。
これは、ちゃんとみんなで物を大切にしよう、ってことを教えてくれてるんやな。
「頭の黒い鼠」の解説
「頭の黒い鼠」っていうことわざはね、自分の家の中の人が、自分の物を盗んでるっていう意味なんだよ。物がなくなった時に、それが外から来た泥棒じゃなくて、家族や友達、つまり自分の周りにいる人がやったんじゃないかと疑うってことだよ。
頭の黒い鼠っていうのは、鼠=ネズミではなくて、黒い髪の人間を指しているんだ。
だから、このことわざは、「家の中の人間が盗みをしている」という意味なんだね。一緒に住んでる人たちに対して、信頼と誠実さが大切だよっていう教訓をくれているんだ。
「頭の黒い鼠」の使い方
「頭の黒い鼠」の例文
- ここに置いてあったはずだけど、さては頭の黒い鼠が出たのね、いつもいつも楽しみにしているものに限って誰かが食べてしまうから困りものです。
- 社内に頭の黒い鼠はいないはずだと思っていたが、捕まえてみれば頭の白い鼠でしたか、まさかと思っていましたから気がつきませんでしたね。
- この研究室に限って大切なデータが漏れるとは思いもよりませんでしたが、どうも頭の黒い鼠がいるようなので、これからはデータを暗号化しましょう。
- 証拠がしっかり残っているのに、知らない振りをしている可愛い頭の黒い鼠が二匹もいます。
「頭の黒い鼠」の文学作品などの用例
私の隠居家は別棟になっているのに、母家の屋根裏からでるとはフシギじゃないか。そんな遠歩きする鼠の話はこの年になるまで聞いたことがありませんよ。大方、頭の黒い鼠がひいたものだろうよ(坂口安吾の屋根裏の犯人より)
まとめ
鼠は悪いことをしてもなんとなく可愛くて許せるような気がします。このことわざが政治の世界で使われることがあって一時期よく使われましたが、鼠に失礼だと感じたのは私だけでしょうね。さて、鼠といえば日本の伝統工芸である漆器(しっき)の漆塗(うるしぬ)りにつかわれるているのが、野鼠の毛を使用した蒔絵筆(まきえふで)で輪島塗(わじまぬり)には欠かせない筆だそうです。江戸時代には穀送舟(こくそうせん)の鼠の毛が最良とされていたといいます。航海中に穀物を食べて丸々と太った鼠の背中の毛が蒔絵筆に使われたと本で読んだことがありますが、本当かどうかは定かではありません。ただ現在でも漆器の作製には使われているそうです。