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【合わせ物は離れ物】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・対義語・英語)

合わせ物は離れ物

【ことわざ】
合わせ物は離れ物

【読み方】
あわせものははなれもの

【意味】
別々の物を合わせて一つにしたものは、いつかまた離れることがあるということ。転じて、出会った者や縁で結ばれた者にも、別れの時が来ることがあるというたとえ。夫婦や男女の仲についていうことが多い。

ことわざ博士
合わせ物は離れ物は、もとは物を合わせて作ることから、人の縁のはかなさへ意味を広げた表現だよ。
助手ねこ
男女や夫婦の別れを、避けがたいものとして受け止める場面で用いるニャン。

【英語】
・what may be joined may be separated(結びついたものも離れることがある)

【類義語】
・夫婦は合わせ物離れ物(ふうふはあわせものはなれもの)
・会うは別れの始め(あうはわかれのはじめ)
・会者定離(えしゃじょうり)

【対義語】
・偕老同穴(かいろうどうけつ)

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「合わせ物は離れ物」の語源・由来

ことわざを深掘り

「合わせ物は離れ物」は、まず、別々の物を合わせて一つに作ったものは、もとの性質からいって再び離れることがある、という具体的な見方から生まれた言い方です。「合物は離れ物」という形でも説明され、物についての意味から、人と人との縁にも別れが来るという意味へ広がっています。

古い用例としては、『毛吹草(けふきぐさ)』(寛永15年序・江戸時代前期、松江重頼著)に「あはせものははなれもの」という形が出てきます。『毛吹草』は俳諧(はいかい)の作法や句作に役立つ言葉を集めた書物で、巻二には俚諺(りげん:民間で言い伝えられたことわざや言い回し)も収められています。このことから、この表現は江戸時代のはじめには、人々の間で通じる言い方として扱われていたことが分かります。

また、『古今夷曲集(ここんいきょくしゅう)』(寛文6年刊・江戸時代前期、生白堂行風編)にも、「あはせものはなれものとはしりながら猶つらいやな今朝のきぬぎぬ」という歌が収められています。『古今夷曲集』は、上代から江戸初期までの狂歌(きょうか)を集めた書物で、この歌では、別れがあるものと分かっていても、今朝の別れはなおつらい、という気持ちを詠んでいます。

ここに出てくる「きぬぎぬ」は、男女が共に過ごした翌朝、別れることを表す古い言い方です。つまり、この古い用例では、単に物が分かれるという話ではなく、男女の仲や別れの寂しさにこの言葉が結びついて使われています。物の結合と分離を、人の縁の結びつきと別れに重ねる見方が、すでに江戸時代前期の狂歌の中で働いていたといえます。

その後、この表現は、男女や夫婦の仲について「出会った者はいつ別れても不思議はない」というたとえとして定着していきます。特に夫婦については、「もともと別々の人が一緒になった関係だから、別れることもあり得る」という考え方を含むため、少しさびしく、あきらめを含んだ響きをもつ言い方になっています。

近代の用例では、徳富蘆花の小説『黒潮(こくちょう)』(明治36年刊)に、「夫婦なんてものは、どうせ合わせものの離れもの」という趣旨の台詞が出てきます。この用例では、夫婦だけでなく会社にも同じ見方を重ねており、別々のものを合わせてできた関係や組織は、永遠に一つのままとは限らない、という意味の広がりがうかがえます。

このように、「合わせ物は離れ物」は、物を合わせて作るという身近な経験をもとに、男女・夫婦・人の縁・組織のつながりへと意味を広げてきたことわざです。現在では、別れを軽く扱う言葉ではなく、結ばれたものにも変化や別れがあり得るという、世の移り変わりを静かに言い表す表現として用いられます。

「合わせ物は離れ物」の使い方

健太
図工で作った段ボールの家、昨日まではしっかりしていたのに、朝来たら屋根が外れていたよ!
ともこ
のりでつないだ所が弱かったんだね。合わせ物は離れ物っていうし、重い屋根をのせたら外れやすいよ。
健太
そっか。別々の板を合わせただけだから、もう一度補強しようかな?
ともこ
うん、角にテープを足して、今度はみんなで運ぶ時もそっと持とう。
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「合わせ物は離れ物」の例文

例文
  • 接着剤だけで組み立てた棚が外れ、祖父は合わせ物は離れ物だと言った。
  • 長年続いた共同事業が解散になっても、合わせ物は離れ物と受け止めて次の道を探した。
  • 二人の結婚生活が終わったと聞き、合わせ物は離れ物という言葉の重みを感じた。
  • 別々の会社が合併してできた組織は、方針が合わず合わせ物は離れ物となった。
  • 旅先で仲良くなった友人と離れる朝、合わせ物は離れ物だと思っても寂しさは残った。
  • 仲のよかった二人が別々の道を選び、合わせ物は離れ物とはいえ周囲は驚いた。

主な参考文献
・小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005〜2006年。
・松村明監修『大辞泉 第二版』小学館、2012年。
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・松江重頼著、新村出校閲、竹内若校訂『毛吹草』岩波書店、1943年。
・生白堂行風編『古今夷曲集』1666年。
・徳富蘆花『黒潮』1903年。





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