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「あちら立てればこちらが立たぬ」の意味(類義語・英語)
【ことわざ】
あちら立てればこちらが立たぬ
【読み方】
あちらたてればこちらがたたぬ
【意味】
物事は両立しにくく、一方をよくすればもう一方が悪くなるというたとえ。また、二人の主人に仕えるのはうまくいかないということ。
これは、すべての人を同時に満足させるのは不可能なこともあるっていう、人間関係の難しさを教えてくれる言葉やな。
【類義語】
・出船によい風は入り船に悪い
・彼方によければ此方の怨み
・頭押さえりゃ尻上がる
・両方立てれば身が立たぬ
【英語】
You can’t please everyone.(誰もが気に入るようにはできない)
「あちら立てればこちらが立たぬ」の解説
「あちら立てればこちらが立たぬ」の「立てる」っていうのは、「人の面目を保つ」や「人を立てる」という意味なんだ。つまり、人が立派に見えるようにする、または人の評判を良くすることを言うんだよ。
で、「あちら立てればこちらが立たぬ」っていうのは、一方の人の面目を保つために努力していると、その分、もう一方の人の面目が保てなくなる、ということを表しているんだ。つまり、Aさんをほめて立てると、その分、Bさんが立てられなくなる、というような状況を表しているんだね。
だから、このことわざは、「全員の面目を同時に保つのは難しい」っていう意味があるんだよ。ある人をほめれば、他の人が傷つくかもしれないし、逆もまた然り。だから、人を立てるときは、全員の気持ちを考えて行動することが大切なんだよ。
「あちら立てればこちらが立たぬ」の使い方
「あちら立てればこちらが立たぬ」の例文
- 部長派と専務派の間に挟まれて、あちら立てればこちらが立たぬで困ってしまう。
- 学校側とPTAの仲介役になってしまい、あちら立てればこちらが立たぬで、疲れてしまった。
- 主役級の女優が二人も同じ現場にいると、あちら立てればこちらが立たぬの状態になる。
- 友人二人に、どっちの味方なのと詰め寄られたが、あちら立てればこちらが立たぬで答えることができるわけがない。
- 今までの取引先を取るか新規の取引先を取るか、あちら立てればこちらが立たぬで迷った。
「あちら立てればこちらが立たぬ」の文学作品などの用例
「どっちにすればいいんでありますか」「そういう時には臨機の処置をとって、両方の顔を立てるがいい」「でもあちら立てればこちらが立たず、両方立てれば身が立たず、であります」(田河水泡の、のらくろ自叙伝より)
一方を優先すれば、他方は満足できない、という状況を表しているんだ。