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【愛は小出しにせよ】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・対義語・英語)

愛は小出しにせよ

【ことわざ】
愛は小出しにせよ

【読み方】
あいはこだしにせよ

【意味】
人を愛するときは、一度に激しく愛を注ぐより、少しずつ長く続けるのがよいということ。

ことわざ博士
愛は小出しにせよは、愛情を惜しむという意味ではなく、無理なく続く形で示すことを重んじることわざだよ。
助手ねこ
恋愛や夫婦、家族などの関係で、強すぎる情熱よりも日々の思いやりを大切にする場面で用いるニャン。

【英語】
・Love me little, love me long.(少し愛して、長く愛して)

【類義語】
・惚れた腫れたは当座の内(ほれたはれたはとうざのうち)
・近惚れの早飽き(ちかぼれのはやあき)

【対義語】
・愛は惜しみなく与う(あいはおしみなくあたう)
・恋はし勝ち(こいはしがち)

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「愛は小出しにせよ」の語源・由来

ことわざを深掘り

「愛は小出しにせよ」は、中国の古い故事に由来する故事成語ではありません。恋愛や夫婦の愛情について、一時の強い熱よりも、長く続く穏やかな愛情をよしとすることわざです。

このことわざの中心にある「愛」は、特定の人をいとしいと思う心や、互いに相手を慕う情を表します。また「小出し」は、多くある中から少しずつ出すことを表します。したがって、「愛を小出しにする」とは、愛情をなくすことではなく、少しずつ、続けられる形で表すことを意味します。

この考え方の背景には、英語の古いことわざ “Love me little, love me long.” があります。直訳すれば「少し愛して、長く愛して」という意味で、短く燃え上がる愛よりも、長く保たれる愛を重んじる表現です。

英語圏での古い形としては、16世紀のジョン・ヘイウッドのことわざ集『A Dialogue conteining the nomber in effect of all the prouerbes in the Englishe tongue』(1546年、ジョン・ヘイウッド著)に、“Olde wise folke saie, loue me lyttle loue me long.” という形で出てきます。これは「昔からの賢い人々は、少し愛して長く愛して、と言う」という内容で、すでに知られていた言い回しとして扱われています。

ヘイウッドの本は、当時の英語のことわざを集め、会話の中に織り込んだ作品です。この句がそこに入っていることから、16世紀半ばには、激しすぎる愛よりも長続きする愛をよしとする考えが、英語のことわざとして広まっていたことが分かります。

その後、1569〜1570年ごろには、“Love me lyttle and love me longe” という題の歌が出版許可を受けています。この記録は、ことわざが本の中だけでなく、歌としても親しまれていたことを示しています。

その歌では、「熱すぎて強すぎる愛は早く燃えつきる」「年を重ねるまで続く愛は、急いで色あせない」という内容が歌われています。ここでは、ただ愛を少なくするのではなく、ほどよい愛情を誠実に保つことが大切にされています。

さらに、寒い冬や暑い夏、秋の嵐にも負けない愛が望ましいものとして歌われています。季節や暮らしの変化に耐える愛をよしとする考えは、現在の「少しずつ長く続けるのがよい」という意味に自然につながります。

クリストファー・マーロウの戯曲『The Jew of Malta』(1590年代ごろ成立、クリストファー・マーロウ作)にも、“Love me little, love me long” という句が出てきます。劇の中で人物のせりふとして使われており、この表現が当時の人々に通じる言い回しだったことをうかがわせます。

ロバート・ヘリックの詩集『Hesperides』(1648年、ロバート・ヘリック著)にも、“Love Me Little, Love Me Long” という題の短い詩があります。その詩では、強すぎる情熱は疲れたり消えたりするので、ほどよい思いのほうが長く届く、という考えが述べられています。

日本語の「愛は小出しにせよ」は、この英語のことわざを、日本語らしく言い換えた形と考えられます。「少し愛せよ」と言わず、「小出しにせよ」とすることで、愛情を日々少しずつ表し、関係を長く保つという実生活に近い知恵が伝わります。

したがって、このことわざは、冷たくせよ、愛情を出し惜しみせよ、という戒めではありません。相手を思う気持ちを一度に燃やし尽くすのではなく、無理のない形で長く続けることをすすめる、落ち着いた愛情のことわざです。

「愛は小出しにせよ」の使い方

健太
父の日のに、今年は特別高価なプレゼントを渡そうと思うんだ。
ともこ
それもすてきだけど、毎朝の手伝いや短い手紙を続けるほうが、お父さんはうれしいかもしれないよ?
健太
なるほど、愛は小出しにせよだね。一度だけ張り切るより、毎日少しずつ伝えるほうが長く続きそうだ。
ともこ
うん! まず明日の朝、新聞を取ってくるところから始めてみよう。
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「愛は小出しにせよ」の例文

例文
  • 愛は小出しにせよというように、記念日だけでなく日ごろの思いやりを大切にしたい。
  • 若い二人は愛は小出しにせよを心に留め、無理のない距離で交際を続けた。
  • 祖母は、夫婦仲を長く保つには愛は小出しにせよが大事だと話していた。
  • 最初から大げさな贈り物を重ねるより、愛は小出しにせよで小さな気遣いを続けるほうがよい。
  • 愛は小出しにせよとは、冷たくすることではなく、相手を思う行動を長く続ける知恵をいう。
  • 家族への感謝も、愛は小出しにせよの気持ちで毎日の言葉や手伝いに表したい。

主な参考文献
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・松村明監修『デジタル大辞泉』小学館。
・John Heywood, 『A Dialogue conteining the nomber in effect of all the prouerbes in the Englishe tongue』1546年。
・Edward Arber編『Extracts From the Registers of the Stationers’ Company』1875年。
・Walter W. Skeat編『The Proverbs of John Heywood』George Bell and Sons、1874年。
・W. Carew Hazlitt編『English Proverbs and Proverbial Phrases』Reeves and Turner、1907年。
・Robert Herrick『Hesperides』1648年。





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