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【石に口漱ぎ流れに枕す】の意味と使い方や例文!故事は?(類義語・対義語・英語)

石に口漱ぎ流れに枕す

【故事成語】
石に口漱ぎ流れに枕す

【読み方】
いしにくちすすぎながれにまくらす

【意味】
負け惜しみが強く、自分の誤りを認めずに、屁理屈をつけて言い逃れることのたとえ。

ことわざ博士
「石に口漱ぎ流れに枕す」は、言い間違いや失敗を素直に認めず、無理な理屈で正しいように見せようとする態度を表す故事成語なんだよ。
助手ねこ
自分の非を指摘された人が、反省よりも言い訳を優先する場面に用いるニャン。

【英語】
・rationalize one’s behavior(自分の行動をもっともらしい理由で正当化する)
・make excuses(言い訳をする)

【類義語】
・漱石枕流(そうせきちんりゅう)
・這っても黒豆(はってもくろまめ)
・鷺を烏(さぎをからす)

【対義語】
・過ちては改むるに憚ること勿れ(あやまちてはあらたむるにはばかることなかれ)
・過ちを改むるに吝かならず(あやまちをあらたむるにやぶさかならず)

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「石に口漱ぎ流れに枕す」の故事

故事成語を深掘り

「石に口漱ぎ流れに枕す」は、中国の古い人物の逸話から生まれた故事成語です。もとの形は「石に枕し流れに漱ぐ」で、石を枕にして眠り、川の流れで口をすすぐような、俗世を離れた静かな暮らしを表す言い方でした。

この正しい形は、山林に隠れて自由に暮らすことを表します。日本語でも古くから「石に枕し流れに漱ぐ」という形で、世間から離れた生活をいう表現として理解されてきました。

故事の中心人物は、晋(しん)の孫楚(そんそ)です。孫楚は字(あざな)を子荊(しけい)といい、若いころに隠居して自然の中で暮らしたいと考えていました。

『世説新語(せせつしんご)』(南朝宋、5世紀、劉義慶編)には、孫子荊が若いころ隠れ住みたいと思い、王武子(おうぶし)に「枕石漱流」と言おうとして、誤って「漱石枕流」と言った話が出てきます。これは「石に枕し流れに漱ぐ」と言うべきところを、「石に漱ぎ流れに枕す」と言ってしまったということです。

王武子は、その言い間違いを聞いて、「流れを枕にできるのか、石で口をすすげるのか」と問い返しました。流れは水なので枕にはできず、石は口をすすぐものではないため、孫楚の言葉は明らかに不自然でした。

ところが孫楚は、自分の誤りを認めませんでした。彼は、「流れに枕するのは耳を洗うためであり、石に漱ぐのは歯を磨くためである」と言い返しました。

この返答は、筋の通った説明というより、間違いを認めないためのこじつけです。ここから、「石に口漱ぎ流れに枕す」は、負け惜しみが強く、屁理屈で言い逃れることを表すようになりました。

『晋書(しんじょ)』(唐、7世紀、房玄齢ら編)孫楚伝にも、同じ内容の話が載っています。そこでは、孫楚が王済(おうせい)に「枕石漱流」と言おうとして「漱石枕流」と誤り、王済に指摘されると、耳を洗う、歯を磨くという理屈をつけたことが述べられています。

『世説新語』では、王武子という呼び名が使われていますが、これは王済のことです。つまり、同じ逸話が、人物の呼び名や本文の形を少し変えながら、複数の古い文献に伝わっています。

この故事では、言い間違いそのものよりも、そのあとに誤りを認めなかった態度が重要です。孫楚は、ただ言葉を取り違えただけではなく、それを正しいことのように言い張ったため、後に「負け惜しみ」「屁理屈」のたとえになりました。

「漱石枕流」という四字の形も、この故事から生まれた言い方です。夏目漱石(なつめそうせき)の号も、この故事に由来すると説明されています。

現在では、「石に口漱ぎ流れに枕す」は、単に間違えることを責める言葉ではありません。間違えたあとで素直に直さず、無理な説明を重ねて自分を正しく見せようとする態度を表す言葉として使います。

「石に口漱ぎ流れに枕す」の使い方

健太
算数の答えを一けた写し間違えたのに、ぼくは「先生の字が小さかったから、これはぼくの注意力の問題ではない」と言ってしまったよ。
ともこ
それは、石に口漱ぎ流れに枕すみたいな言い訳になっているよ。写し間違いに気づいたなら、まず直したほうがいいんじゃない?
健太
たしかに、間違いを認めるのが恥ずかしくて、無理に理由をつけていたんだね!
ともこ
次は、すぐに直してから「どこで間違えたか」を考えよう。そのほうが、きっと力になるよ。
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「石に口漱ぎ流れに枕す」の例文

例文
  • 答えを写し間違えたのに問題文のせいにするのは、石に口漱ぎ流れに枕すというもの。
  • 約束の時間に遅れた理由を天気や時計のせいにし続ける彼の態度は、石に口漱ぎ流れに枕すに近い。
  • 資料の数字を確認しなかった失敗を、説明の工夫だと言い張るのは石に口漱ぎ流れに枕すだ。
  • 試合で反則を取られたあと、わざとではないから正しい作戦だったと主張するのは石に口漱ぎ流れに枕すだ。
  • 料理の塩を入れすぎたのに「濃い味が流行している」と言うのは、石に口漱ぎ流れに枕すのような言い逃れだ。
  • 会議で日付を間違えたのに「相手が気づくか試した」と言い出すのは、石に口漱ぎ流れに枕すでしかない。

主な参考文献
・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・松村明監修『デジタル大辞泉』小学館。
・円満字二郎著『故事成語を知る辞典』小学館、2018年。
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・円満字二郎著『四字熟語を知る辞典』小学館、2018年。
・劉義慶編『世説新語』5世紀。
・房玄齢ほか編『晋書』7世紀。
・Merriam-Webster『Merriam-Webster Dictionary』。





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