【ことわざ】
実るほど頭を垂れる稲穂かな
【読み方】
みのるほどこうべをたれるいなほかな
【意味】
徳のあるすぐれた人物ほど謙虚であるというたとえ。
【語源・由来】
稲が実を熟すほど穂先が垂れ下がれることから生まれたことわざと考えられます。
【類義語】
実ほど頭の下がる稲穂かな(みのるほどあたまのさがるいなほかな)
実る稲穂は頭を垂れる(みのるいなほはこうべをたれる)
【英語訳】
The boughs that bear most hang lowest.
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」の使い方
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」の例文
- 最近の先生は実るほど頭を垂れる稲穂かな、一段と自分を磨かれているようだ。
- 経営状況が好転してきたのは良いことではあるが、実るほど頭を垂れる稲穂かなと同じだ、取引先と接する時には気を抜かないように。
- 実るほど頭を垂れる稲穂かなと言うことは簡単だが、時と場合によっては権威を示す必要もあるのが実態だ。
- ハリウッドでも一躍有名になったのに、ファンにはいつものように接している。実るほど頭を垂れる稲穂のような俳優です。
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」を深掘り
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」ということわざは、成功したり成果を上げたりしたものほど、謙虚になることを示しています。このことわざが科学的にも示されている点について説明します。
ダニング=クルーガー効果という現象は、能力の低い人ほど自分の能力を過大評価する傾向があるというものです。一方、実際に能力が高い人々は、しばしば自分の能力を適切に認識するか、さらには過小評価することがあります。これは、実際に成果を上げている人々が謙虚であることを支持する一例です。
認知バイアスは、人々が自分の能力や状況を歪めて捉える心のクセを指します。多くの人は自己評価が困難で、自分の不足を認識するのはつらいものです。
しかし、成功している人々は、自分の能力や状況を正確に評価することができると考えられます。これは、彼らが認知バイアスに陥らないで、現実を直視する能力を持っていることを示しています。
さらに、ハーバード・ビジネス・スクールのブルックスの研究によれば、人は多少の不安や緊張がある状態で高いパフォーマンスを発揮することが示されています。これは、不安や緊張を感じることが、人々を動機付け、新しい挑戦に向かわせる力となることを意味します。
ブルックスの別の研究では、興奮状態のほうがポジティブな状態であるとも示されています。具体的には、不安な状態から興奮状態に移行することが、人々にとって望ましいとされています。興奮状態であることは、高いパフォーマンスを発揮する上で有利となります。
これらの研究や現象を考えると、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」ということわざは、科学的にも根拠があることがわかります。
成功した人や能力が高い人が謙虚である理由は、彼らが自分の能力や状況を正確に評価し、それに基づいて行動しているからと考えられます。
参考文献
このことわざ、科学的に立証されているんです | 堀田 秀吾