【相手のさする功名】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・英語)

相手のさする功名

【ことわざ】
相手のさする功名

【読み方】
あいてのさするこうみょう

【意味】
自分の力によるのではなく、相手の弱さや失敗などによって、思いがけず立てる手柄。

ことわざ博士
相手のさする功名は、自分の実力で得た成果ではなく、相手側の不足や失策に助けられた成果を表すんだよ。
助手ねこ
勝負、試験、仕事、発表などで、結果はよかったが、その理由が相手の弱さや相手の失敗にある場面に用いるニャン。

【英語】
・a fluke victory.(実力や計画ではなく、偶然による勝利)
・a lucky win.(運に助けられた勝利)

【類義語】
・敵のさする功名(てきのさするこうみょう)
・怪我の功名(けがのこうみょう)

「相手のさする功名」の語源・由来

ことわざを深掘り

「相手のさする功名」は、勝負や争いにおいて、こちらの力がすぐれていたためではなく、相手の弱さや失策によって、思いがけず手柄を立てることを表すことわざです。「功名」は、手柄を立てて名をあげること、またはその手柄を指します。

このことわざの「相手」は、物事を一緒にする一方の人、働きかけの対象、または勝負や争いで向かい合う人を表します。ここでは、勝負や競争でこちらと向かい合う相手という意味で使われています。

「相手」の古い用例には、『古今著聞集(ここんちょもんじゅう)』(1254年・鎌倉時代、橘成季編)に出てくる「合手」があります。競馬の場面で、勝負で向かい合う相手を指しており、「相手」が競争や勝負の相手を表す言葉として用いられていたことが分かります。

また、『米沢本沙石集』(1283年・鎌倉時代)には「御相手」の形が出てきます。ここでは、ある人と関わりをもつ相手という意味で使われており、現在の「相手」という広い意味につながる用法が表れています。

後半の「功名」は、手柄を立てて名をあげることを表します。「けがの功名」という言い方にも見られるように、功名は単なる成功ではなく、周囲から手柄として認められる成果を含む言葉です。

このことわざで特に大切なのは、「さする」という言い方です。「相手のさする功名」の「さする」は、「してくれる」という意味をもつと伝えられています。つまり、相手がこちらに手柄を「させてくれる」ような形になった、という見方が言葉の土台にあります。

ただし、ここでいう「してくれる」は、相手が親切に助けてくれるという意味ではありません。相手の力が弱かったり、やり方が劣っていたり、失敗したりしたために、結果としてこちらが功名を得るという意味です。

この表現は、勝った側を素直にたたえるだけの言葉ではありません。勝ちは勝ちでも、それが本人の実力だけで得たものではないという含みがあり、自分の力を過信しないようにする戒めとしても働きます。

類いの言い方に「敵のさする功名」があります。「相手」を「敵」と言い換えることで、勝負や争いの色合いがいっそう強くなりますが、相手側の弱さや失策によって手柄を得るという考え方は共通しています。

「怪我の功名」は、過失と思われたことや、何げなくしたことが意外によい結果になることを表します。偶然によるよい結果という点では近いものの、「相手のさする功名」は、よい結果の理由が相手側の弱さや失敗にある点で、より勝負や対抗関係に寄った言い方です。

このことわざは、昔の武功や競争だけでなく、現代の試合、発表、仕事、交渉などにも使えます。相手の準備不足や失敗に助けられてよい結果が出た時、自分の実力だけで成功したと考えず、結果の理由を冷静に見るための言葉です。

「相手のさする功名」の使い方

ともこ
健太くん、昨日の将棋の大会で優勝したんだって?すごいね!
健太
ありがとう、でも実は最後の試合、相手の人がうっかり大事な駒を動かし間違えちゃったんだよ。
ともこ
なるほど、まさに相手のさする功名だったというわけだね。
健太
うん、自分の実力だけで勝てたわけじゃないから、もっと練習して次は堂々と勝ちたいな!

「相手のさする功名」の例文

例文
  • 相手チームの守備が乱れたために得点できたので、今回の勝利は相手のさする功名だった。
  • 発表会で一位になったが、ほかの班が準備不足だったことを考えると、相手のさする功名に近い。
  • 商談がまとまったのは、自社の説明が特別によかったからではなく、競合会社の提案が弱かったためで、相手のさする功名だった。
  • 決勝で相手が反則を重ねたために優勝できたので、監督は相手のさする功名だと選手たちを引き締めた。
  • 試験の平均点が低かったために順位が上がっただけなら、相手のさする功名と考えて油断しないほうがよい。
  • 相手のミスで議論に勝っただけなのに、自分の説明力だけを誇るのは、相手のさする功名を取り違えている。

主な参考文献
・松村明監修、小学館大辞泉編集部編『大辞泉 第二版』小学館、2012年。
・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・Cambridge University Press『Cambridge Advanced Learner’s Dictionary & Thesaurus』Cambridge University Press.
・Merriam-Webster, Incorporated『Merriam-Webster.com Dictionary.』




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