「後足で砂をかける」の意味(語源由来・類義語・対義語・英語訳)
【ことわざ】
後足で砂をかける
【読み方】
あとあしですなをかける
【意味】
今までお世話になった方や恩がある方に、最後の方で裏切った上に、大変な迷惑や被害ををかけて去ることをたとえている。
人から受けた恩を忘れて、去る時にわざと砂をかけて迷惑をかけるんや。これは、恩を忘れるな、って教えてくれることわざやな。
犬や馬といった動物が走り去るときに、後ろ足で地面の土や砂を蹴り上げて行ってしまい、後に残ったのは汚れた地面だけといった様子から転じてきている。
・後は野となれ山となれ
・愛犬に手を噛まれる
・恩を仇で返す
・飼い犬に手を噛まれる
・片屋貸して母屋取られる
・借家栄えて母屋倒れる
・鉈を貸して山を伐られる
・軒を貸して母屋を取られる
・庇を貸して母屋を取られる
【対義語】
・犬猫も三日飼えば恩を忘れず
・恩を以て怨みに報ず
・立つ鳥跡を濁さず
・飛ぶ鳥跡を濁さず
【英語訳】
・A runaway monk never praises his convent.
・The axe goes to the wood where it borrowed its helve.
「後足で砂をかける」の解説
「後足で砂をかける」っていうのは、犬や馬の行動が由来になっているんだ。公園とかで犬の散歩を見たことあるかな?犬がおしっこをした後に、後ろ足で地面をパタパタと蹴って砂や土を飛ばすのを見たことあるよね?犬はその行動で、自分の匂いを広げて自分の領域を示すんだってさ。
馬も走り去るとき、後ろ足で地面の砂や土をバッと蹴り上げるよね。それで、空中に舞い上がった砂が降り落ちて、地面はちょっと汚れてしまうんだ。
だから「後足で砂をかける」っていうのは、この犬や馬の行動から来ていて、自分の後始末をせずに、問題を残して去ってしまう人のことを指すようになったんだ。
つまり、自分のしたことで生じた問題やトラブルを、他人に任せてしまうような行動をとる人のことを指すんだ。そんな人がいたら困るよね。だから、「後足で砂をかける」っていう表現は、あまり好意的に使われることはないんだよ。
例えば、「彼はみんなに手伝ってもらって仕事を終えた後、一人で遊びに行ってしまった。まるで後足で砂をかけたようだ」って使うと、その人が他人を無視して自分だけ楽しんだという意味になるんだよ。
「後足で砂をかける」の使い方
「後足で砂をかける」の例文
- お世話になった人に後足で砂をかけるような行為はしてはいけない。
- 田中くんは、勉強を教えてくれた山本くんに「ありがとう」と言わず、むしろ悪い噂を広めて、後足で砂をかけるようなことをしてしまった。
- まさかあんなに可愛がっていた部下に裏切られるとは思わなかった。まさに後足で砂をかけられた気分だ。
- これまで何年も介護してきた寝たきりの父に、ささいなことから出て行けと言われた。あれほど長年面倒をみていたのに、後足で砂をかけられたようなものだ。
- 先生にはさんざんお世話になったのに、卒業式の日に、健太くんは先生の悪口を言って、後足で砂をかけるようなことをしてしまった。
- 恩師に対して後足で砂をかけてしまいとても後悔している。
- 後足で砂をかけることだけは絶対にしたくないため、いつも誠実に生きている。