「九牛の一毛」の意味(語源由来・類義語・英語訳)
【ことわざ】
九牛の一毛
【読み方】
きゅうぎゅうのいちもう
【意味】
多くの牛の毛の中の一本の毛の意から、多数の中のきわめて小さい部分。取るに足りない小事。
例えば、お金持ちの人が100円落としたって、その人にとっては「あ、気にせん」というくらいのものやろう。そんな「大したことないよ」という感じを伝える言葉やな。
【語源・由来】
漢の武帝の怒りを買った司馬遷が、友人の任安に宛てた手紙「たとい僕、法に伏し誅を受くるも、九牛の一毛を亡うが若し」から。
「私が今、罪によって殺されても、九牛が一毛を失った程度のこと」
【類義語】
・四海の一滴
・滄海の一粟
・大海の一粟
・大海の一滴
【英語訳】
・mere fraction
・drop in the bucket
「九牛の一毛」の解説
「九牛の一毛」っていう言葉は、昔の中国の書「漢書」に出てくる話からきているんだよ。
考えてみてね、たくさんの牛がいる中で、その牛たちの体から1本の毛を取ってきたとしたら、それってすごく少ないよね。だから、この言葉は、たくさんある中の本当にちっちゃな部分、または大きな全体の中でのとっても小さなことを指しているんだ。
日本語で言うと、「取るに足りないこと」や「大したことじゃない」って感じ。例えば、たくさんのお金がある中で、100円くらいが足りなくても心配することないよね、っていう感じで使うんだよ。
「九牛の一毛」の使い方
「九牛の一毛」の例文
- 数多くの女性と出会ってきたけれど、君ほど話の合う女性は九牛の一毛だよ。
- そんな九牛の一毛のようなことで、いつまでもくよくよ悩んでいるのは良くないと思うよ。
- このお肉は、九牛の一毛ほどしか取れない貴重な部位であり、大変高級である。
- そこら中を探しまわっても、二人の意見が合致する物件は九牛の一毛ほどしかなかった。
「九牛の一毛」の文学作品などの用例
それにつけて思うのは、もっと都会の人々に、野菜を食べさせたいことだ。だからといって、私の百坪前後の野菜を根こそぎ舁ぎだしたところで、九牛の一毛にも値せぬ。(佐藤垢石の食べものより)