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【鬼面、人を嚇す】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・英語)

鬼面、人を嚇す

【ことわざ】
鬼面、人を嚇す

【読み方】
きめん、ひとをおどす

【意味】
見せかけの威勢や恐ろしげな態度によって、人をおどしたり驚かせたりすることのたとえ。

ことわざ博士
鬼面、人を嚇すは、実力や中身よりも、大げさな外見や言葉を前に出して相手をひるませることを表すよ。
助手ねこ
恐ろしそうに見えても、実際には十分な力や内容を伴っていない場面に用いるニャン。

【英語】
・use bluff to intimidate.(はったりを使って相手をおどす)

【類義語】
・虚仮威し(こけおどし)

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「鬼面、人を嚇す」の語源・由来

ことわざを深掘り

「鬼面」は、鬼の顔、または鬼をかたどった仮面を指します。「鬼面、人を嚇す」は、その恐ろしい面を着けて人をおどかす姿をもとに、実力ではなく、見せかけの威勢によって相手をひるませることを表した言葉です。

このことわざの形が整うより前から、「鬼面」という言葉は日本の文献で使われていました。『正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)』(1231〜1253年・鎌倉時代、道元著)の「十方」には「神頭鬼面」とあり、ここでは鬼の顔という意味で用いられています。

『看聞御記(かんもんぎょき)』(1416〜1448年・室町時代、伏見宮貞成親王著)の応永二十三年八月十七日の条には、「次棒振鬼面を着す」とあります。棒を振る役の者が鬼の面を着けたことを記したもので、ここでは「鬼面」が、実際に身に着ける仮面を指しています。

この二つの用例は、「鬼面、人を嚇す」ということわざそのものではありません。しかし、鬼の恐ろしい顔や仮面を「鬼面」と呼ぶ言い方が、中世までに使われていたことを示しています。

現在のことわざに直接つながる古い用例は、菊池五山の『五山堂詩話(ござんどうしわ)』(1807年に自序・江戸時代後期)に出てきます。同書の巻一には、「人言、徠翁仮二鬼面一以嚇レ人」とあります。

これは、「人々は、徠翁が鬼の面を借りて人をおどしていると言う」という趣旨です。実際に鬼の仮面を着けた出来事ではなく、恐ろしげな見せ方を借りて人を圧倒するという比喩として、「鬼面」と「嚇す」が結び付いています。

この古い用例では、「鬼面を仮りて人を嚇す」という文の形を取っています。後には「鬼面人を嚇す」と短くまとまり、「鬼面人を威す」や「鬼面人を驚かす」という形も使われるようになりました。

「嚇す」と「威す」は、いずれも、この言葉では「おどす」と読みます。「驚かす」を用いた形は「鬼面人をおどろかす」と読みますが、どの形も、見せかけの威勢で人を驚かせるという意味を表します。

昭和22年の『作家と独断』には、「さういふ不分明な表現を選ぶことで、鬼面人を驚かす恰好をする」という用例があります。ここでは、鬼の顔や仮面そのものではなく、わざと分かりにくい表現を選び、深そうに見せて人を圧倒する態度を表しています。

このように、もとの具体的な像は、鬼の面を借りて人をおどす姿でした。そこから意味が広がり、権力、大声、難しい言葉、派手な演出などによって、実際以上に自分を強く見せることを表すようになりました。

ただし、力強い態度や立派な外見を、すべて非難する言葉ではありません。見た目の恐ろしさや大げさな振る舞いに比べて、中身や実力が伴っていない場合に用いるところが、このことわざの大切な点です。

「鬼面、人を嚇す」の使い方

ともこ
サッカーボールを抱えて、すごく強そうな顔でにらんでどうしたの?
健太
ふふん、こうしてれば隣のクラスの強いチームだって怖がって逃げ出すさ!
ともこ
うわべだけ強そうにしても、練習をしなきゃ試合には勝てないよ!まさに鬼面、人を嚇すだね。
健太
うっ…確かに見た目だけじゃ意味がないか……よし、今からしっかりパスの練習を始めよう!
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「鬼面、人を嚇す」の例文

例文
  • 相手チームの大声は、鬼面、人を嚇すようなものにすぎず、試合が始まると実力に大きな差はなかった。
  • 難しい専門用語を並べるだけの説明は、鬼面、人を嚇す手法だと受け取られかねない。
  • その広告は、鬼面、人を嚇すやり方で不安をあおり、必要以上に高い商品を買わせようとした。
  • 兄の荒々しい口調も、鬼面、人を嚇すと分かれば、妹は落ち着いて話を聞くことができた。
  • 社長は、鬼面、人を嚇すような命令では社員の信頼を得られないと考え、丁寧に方針を伝えた。
  • 奇抜な舞台装置だけに頼れば、鬼面、人を嚇す作品となり、物語の良さが伝わらなくなる。

主な参考文献

・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・日本漢字能力検定協会編『漢検 漢字辞典 第二版』日本漢字能力検定協会、2014年。
・清水茂・揖斐高・大谷雅夫校注『日本詩史 五山堂詩話 新日本古典文学大系65』岩波書店、1991年。
・道元『正法眼蔵』1231〜1253年。
・伏見宮貞成親王『看聞御記』1416〜1448年。
・菊池五山『五山堂詩話』1807年。





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