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「悪貨は良貨を駆逐する」の意味(語源由来)
【ことわざ】
悪貨は良貨を駆逐する
【読み方】
あっかはりょうかをくちくする
【意味】
同じ額面でも、品質が異なる通貨が混在していると、良質な通貨は保管されるため、結局は劣った通貨だけが市場で流通することになる。(グレシャムの法則のこと。)
「悪いものがどんどん増えて、良いものがなくなっちゃう」っていうことやな。これは、良いものを大切にし、悪いものを避けることの大切さを教えてくれるな。
【語源由来】
グレシャムは、英国の財政家・貿易商。エドワード6世・エリザベス1世の王室財務官となり、貨幣の改鋳などを実施、王立為替取引所の設立を提唱した。
「悪貨は良貨を駆逐する」の解説
「悪貨は良貨を駆逐する」っていうことわざは、昔のイギリスで生まれた話なんだ。
イギリスの王や女王のお金のアドバイザーだった、トマス・グレシャムっていう人が言い出した「グレシャムの法則」っていう考え方からきているんだ。
これをもっとわかりやすく言うと、良いお金と悪いお金が一緒にあると、みんなは良いお金を大切にとっておいて、悪いお金を使いたくなるんだ。だから、次第に良いお金はだんだん減っていって、結局は市場には悪いお金ばかりがあふれてしまうっていうことなんだよ。
日本でも、江戸時代には、良いお金が少なくなって、品質の悪い「びたせん」っていうお金がたくさん出回るようになったことがあったんだ。その後、良いお金を増やすために、江戸幕府は新しい良いお金を作りだしたんだよ。
だから、「悪貨は良貨を駆逐する」っていうのは、良いものと悪いものが一緒にあると、結局は悪いものが多くなってしまうっていう、生活や社会の様々な場面で起こり得る現象を表しているんだよ。
「悪貨は良貨を駆逐する」の使い方
「悪貨は良貨を駆逐する」の例文
- ふるさとの良い風習もなくなって、だんだんと都会の生活と同じになってきた、我々にとってみれば悪貨は良貨を駆逐するだな。
- 健太くんは、同じ値段で販売されている新しい鉛筆と、ちょっと割れている鉛筆がある店に行った。新しい鉛筆はすぐに売り切れてしまい、割れている鉛筆だけが残った。まさに、悪貨は良貨を駆逐するだね。
- ちいさいことですが、整理整頓はしっかりとして下さい。我が社の製品は人命の直接関係します。悪貨は良貨を駆逐するといいます。悪貨は少ないうちに無くしましょう。
- ともこちゃんは、おもちゃ屋さんで同じ値段のきれいなぬいぐるみと、汚れているぬいぐるみが並んでいるのを見つけた。きれいなぬいぐるみはすぐになくなってしまい、汚れたぬいぐるみばかりが残った。まさに悪貨は良貨を駆逐するだね。
- 悪貨は良貨を駆逐するといいますが、この状況の場合はどちらが悪貨なのでしょうか。利益第一主義なのか成長第一主義なのか。
- 知らず知らずのうちに悪貨は良貨を駆逐する。人間に欲望があるかぎりは。
「悪貨は良貨を駆逐する」の文学作品などの用例
善いやつは得て事を好みたがらないから、それで隠れたがる、そうなると、悪いやつはいよいよいい気になって、増長跋扈する、人間ばかりじゃない、金銭においてもそうだ、悪貨は良貨を駆逐すといって……(中里介山の大菩薩峠/恐山の巻より)
「悪貨は良貨を駆逐する」を英語で言うと?
「悪貨は良貨を駆逐する」の英語表現をご紹介します。
※英語の声:音読さん
Bad money drives out good.
- 意味:悪貨は良貨を駆逐する。
一口メモ:グレシャムの法則とは
グレシャムの法則とは、経済の法則の一つで、同じ額面の貨幣が複数流通している場合に、価値の低い貨幣(悪貨)が市場で使われ続け、価値の高い貨幣(良貨)が市場から消えてしまう現象を指します。
簡単に言うと、「悪いものが良いものを追い出す」という意味です。この法則は、イギリスの経済学者トーマス・グレシャムが提唱したことから、グレシャムの法則と呼ばれています。
現代では、「悪いものが世間に広まり、良いものが見捨てられる」という意味で使われることが多いよ。