【ことわざ】
井の中の蛙大海を知らず
【読み方】
いのなかのかわずたいかいをしらず
【意味】
自分の目で見たり耳で聞いたりするなどして得た体験や知識が圧倒的に少なく、それでいて自分の乏しい見聞にこだわってしまうという意味です。見聞が乏しいにも関わらず、自分は何でも知っているように勘違いしたり、得意になっている人を指す事もあります。また、世間知らずという意味もあります。
【語源・由来】
中国の思想家・荘子の書いた「秋水」の中の「井蛙不可以語於海者、拘於虚也」という言葉が由来となっています。意味は、井戸の中のカエルに海の話が通じないのはカエルが井戸という狭い世界にとらわれているから、という内容です。ここから、物の見方や考え方が狭い人を指して使うようになりました。
【類義語】
・井の内の蛙大海を知らず
・井底の蛙
・井の中の蛙
・井蛙
・井蛙の見
・井蛙は以って海を語るべからず
・針の穴から天を覗く
・葦の髄から天井を覗く
・管を以て天を窺う
・鍵の穴から天を覗く
・夏虫は以て氷を語るべからず
・夏の虫氷を笑う
・夜郎自大
【対義語】
・井の中の蛙大海を知らず、されど空の青さを知る
【英語】
He that stays in the valley shall never get over the hill.(谷の中にとどまる者は決して丘を越えることはない)
「井の中の蛙大海を知らず」の使い方
「井の中の蛙大海を知らず」の例文
- この程度の知識をひけらかして得意になっているようじゃ、井の中の蛙大海を知らずだよ。
- 甘やかされて育った彼は井の中の蛙大海を知らずで、威張っているけど世間を何も知らない人だ。
- ぼくはクラスで一番算数の成績が良かったけど、進学塾に通い始めたら、もっと成績が良い子がたくさんいた。井の中の蛙大海を知らずだったなぁ。
- 自分の専門分野にこだわっていると知識が偏ってしまい、井の中の蛙大海を知らずになってしまう。
「井の中の蛙大海を知らず」の文学作品などの用例
本バヤ則ち学名うぐいはあかはら又は赤魚の名で雌雄ともに腹が赤くなるが、主として天竜に居て、諏訪湖の上流の方はうぐいは稀でおいかあわが主である。「これは諏訪湖の川にだけ居る特別のハヤです」と説明して居る釣人があるが、これは大海を知らぬ井の中の蛙さんである。(正木不如丘の釣十二ヶ月より)