【ことわざ】
頭隠して尻隠さず
【読み方】
あたまかくしてしりかくさず
【意味】
悪いことや後ろめたいことをしたとき、一部だけ隠して、全部を隠したつもりになっている様子のこと。
【語源・由来】
キジという鳥は追われると草むらの中に頭を突っ込むが、長い尾が外へ突き出て丸見えになっていることから。
【類義語】
・頭隠して尾を出す
・雉の隠れ
・団子隠そうより跡隠せ
・身を蔵し影を露わす
・頭を隠して尾をあらわす
・頭隠して尻を出す
・柿を盗んで核を隠さず
・雉子の草隠れ
・団子隠そうより跡隠せ
・蚤の隠れたよう
・辣韮食うて口を拭う
【英語】
The foolish ostrich buries his head in the sand and thinks he is not seen.(愚かなだちょうは頭を砂の中に隠し、他から己の姿を見られていないと思っている)
You dance in a net and think nobody sees you.(網の中で踊っているのに、だれも見ていないと思っている)
「頭隠して尻隠さず」の使い方
「頭隠して尻隠さず」の例文
- 妹は、隠れているつもりでもお尻だけ見えてる。頭隠して尻隠さずだから笑える。
- 驚かせようとダンボールに隠れたつもりでも、お尻だけ見えてるから頭隠して尻隠さずで驚かす前に見つかる。
- 夕食の前にこっそりシュークリームを食べた。お皿は洗ったけれど、服にクリームがついていた。頭隠して尻隠さずで、母にばれてしまった。
- 愛猫が、こたつに頭から突っ込んで頭隠して尻隠さずで愉快。
- 布団にもぐって頭隠して尻隠さずで、滑稽な風景。
「頭隠して尻隠さず」の文学作品などの用例
ああこの人間どもは、あんな「逆柱」を一本建てればもうそれでいいと思ってるのか、なんて単純なやつだろう、頭隠して尻隠さずってところだけれど、それさえ分かんないのだろうか……(庄司薫の狼なんかこわくないより)
まとめ
細部まできちんと確認しなさいという昔の人の言葉から聞こえてくるようだ。気持ちのゆるみでとんでもないアクシデントを呼んだりするので、油断を忠告している名句のようにも感じる一句でもある。