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【家に鼠、国に盗人】の意味と使い方や例文!語源由来は?

家に鼠、国に盗人

【ことわざ】
家に鼠、国に盗人

【読み方】
いえにねずみ、くににぬすびと

【意味】
規模の大小にかかわらず、どのような所にも、内側にいてそれを害するものがいるというたとえ。

ことわざ博士
家の中で物を損なう鼠と、国の中で人々を害する盗人とを並べ、身近な所から大きな社会まで同じ道理があることを表しているよ。
助手ねこ
家庭・組織・社会などで、内部から害を及ぼす者の存在を述べる場面で用いるニャン。
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「家に鼠、国に盗人」の語源・由来

ことわざを深掘り

「家に鼠、国に盗人」は、家に入り込んで食べ物や道具を損なう鼠と、国の内側にいて人々の暮らしや秩序を害する盗人とを並べた言葉です。外から来る危険ではなく、もともとその内側に潜んで害をなすものに目を向けているところに、このことわざの要点があります。

この言い方のもとには、『徒然草(つれづれぐさ)』(1330〜1331年ごろ成立か・鎌倉時代末期、吉田兼好著)の第九十七段があります。『徒然草』は、兼好が見聞や考えを書きつづった随筆で、第九十七段では、何かに取りつき、それ自体を損ない、弱らせるものについて述べています。

第九十七段には、「其の物につきて、そのものを費やしそこなふもの数を知らず。身に蝨あり、家に鼠あり、国に賊あり」とあります。これは、ある物に付いてその物を損なうものは数えきれないほどあり、人の身には蝨(しらみ)がつき、家には鼠が入り、国には賊がいる、という意味です。

ここでは、「身」から「家」へ、さらに「国」へと、害を受けるものの範囲が次第に大きくなっています。蝨は人の身に寄生し、鼠は家の中の物を荒らし、賊は国の内側から秩序や暮らしを損ないます。小さな生活の場にも、大きな社会にも、それぞれ内部から害を及ぼすものがあるという見方が、簡潔な並びによって表されています。

原文では、「家に鼠あり、国に賊あり」と書かれています。「家に鼠、国に盗人」は、その二つの部分を取り出して「あり」を省き、「賊」を「盗人」とした形です。「賊」も「盗人」も、ここでは内部にいて害をなす者を表しており、原文の意味を受け継いでいます。

また、このことわざは、「国に盗人家に鼠」と、国を先に掲げる形でも用いられます。この形では、国という大きな範囲から、家という身近な範囲へと言葉が進みますが、どのような所にも内部から害するものが潜んでいるという意味は変わりません。

『徒然草』の一節は、ただ鼠や盗人の存在を言うだけではなく、害は外部からだけ来るものではないという考えを含んでいます。自分たちの内側にある損失の原因や、組織の中で信頼を裏切る者を戒める表現として、のちにことわざの形に整えられたものです。

このように、「家に鼠、国に盗人」は、鎌倉時代末期の随筆に書かれた「家に鼠あり、国に賊あり」という対句をもとに、身近な家庭から大きな社会まで、内部に害をなすものは入り込むという世のならいを表すことわざとして、伝えられてきました。

「家に鼠、国に盗人」の使い方

健太
図書係の人が、貸し出しの記録を書かずに学級文庫の本を持ち帰っていたんだって。
ともこ
本を守る係の中で起きたことなら、みんなも悲しいね…。
健太
先生が、家に鼠、国に盗人とは、内側にいる人が害を及ぼすこともあるという意味だと話していたよ。
ともこ
本が戻りやすいように、貸し出しの決まりをみんなでもう一度確かめよう!
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「家に鼠、国に盗人」の例文

例文
  • 帳簿を任された者が金を着服した事件は、まさに家に鼠、国に盗人というべき出来事だった。
  • 村の倉を管理する役人が米を盗んでいたと知り、人々は家に鼠、国に盗人と嘆いた。
  • 家に鼠、国に盗人というように、組織を守るには内部の不正にも目を向けなければならない。
  • 信頼された部員が備品を持ち出していたため、顧問は家に鼠、国に盗人の戒めを思い起こした。
  • 古い物語では、家臣の裏切りによって国が乱れ、家に鼠、国に盗人の道理が描かれている。
  • 情報を管理する社員が秘密を売り渡したことで、社長は家に鼠、国に盗人の恐ろしさを痛感した。

主な参考文献
・松村明監修、小学館『大辞泉』編集部編『デジタル大辞泉』小学館。
・小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005〜2006年。
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・現代言語研究会著『日本語を使いさばく 故事ことわざの辞典』あすとろ出版、2007年。
・吉田兼好『徒然草』。





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