「命長ければ恥多し」の意味(出典・類義語・対義語・英語訳)
【ことわざ】
命長ければ恥多し
【読み方】
いのちながければはじおおし
【意味】
長生きをすると、それだけ恥をさらす機会が多くなるというたとえ。
生きていく中で、色んな経験をするけど、その中には失敗や恥ずかしい経験もあるわけや。これは、長い人生を生きることの難しさや、そこから学べることを教えてくれてるんやな。
【出典】
「荘子」外篇・天地
「男子多ければ則(すなわ)ち懼(おそ)れ多く、富めば則ち事多く、寿(いのちなが)ければ則ち辱(はじ)多し」
兄弟が多ければ争いの心配が多いし、富が増えればそれを守るために煩わしいことが増えるし、長生きすれば世の辱めを受けることが多くなる、とあることに基づく。
【類義語】
・長生きは恥多し
【対義語】
・命長ければ蓬莱に会う
【英語】
Long life has long misery.(長生きをすると、みじめな思いをすることが多い)
「命長ければ恥多し」の解説
「命長ければ恥多し」の言葉は、長く生きていればそれだけ恥ずかしい体験や間違いを経験する機会が増えるという意味を持っているんだ。この言葉は、中国古代の伝説の聖王、堯が言った言葉が起源となっているんだよ。
この話は、堯がある地方を訪れた時のエピソードに由来しているんだ。その地方の役人が堯に対して、「長寿と富、そしてたくさんの子供に恵まれますように」と祝福を述べたんだ。でも、堯はこの祝福を丁重に辞退し、「多くの子供がいれば心配事が増え、富んでいれば責任も増える。そして、長生きすればそれだけ恥をかく機会も多くなる」と返答したとされているよ。
ここからは、長生きを無闇に願うのではなく、歳を重ねたとしても恥をかかないように注意するべきという教訓が読み取れるよ。この話はさらに続きがあり、その後役人が「そんな些細な困難すら避けられないとは、あなたも大したことはない」と堯を論破したとされているよ。
これらをあわせて考えると、「恥ずかしいと感じて長生きを避けるのは狭量な知恵であり、それ自体が愚かだ」という意味にも取れるね。
この言葉は「徒然草」の中でも引用されていて、日本文学でも有名な一節となっているよ。
「命長ければ恥多し」の使い方
「命長ければ恥多し」の例文
- 命長ければ恥多しというけれど、あれほど長く会社にいて最後は収賄罪で捕まるなんて驚きだね。
- 祖母は長生きをしているとたくさんの経験をすると話している。特に、命長ければ恥多しといって穴があったら入りたくなるような恥ずかしい思いを何度もしたという。
- 命長ければ恥多しといいますが、何度恥ずかしい思いをしたかもうわかりません。
- あの町内会長はそろそろ引退したほうがいい。命長ければ恥多しだ。
- 命長ければ恥多しと言っているけれど、おじいちゃんが長生きしていてくれることを僕は嬉しく思っているよ。
「子供たちだけじゃなく孫やひ孫まで集めて、古希のお祝いをするなんて、命長ければ恥多しだからやめてくれ。」と使うのは誤り。
まとめ
長い気をするということは、いろいろな経験をすることではないでしょうか。
命長ければ恥多しといいますが、恥だけでなく素晴らしい経験も重ねて年を取りたいものですね。