「一矢を報いる」の意味(語源由来)
【慣用句】
一矢を報いる
【読み方】
いっしをむくいる
【意味】
ちょっとした反撃をすること。また、議論をしかけられたり批判をされたりした時に、黙っていないで短く言い返すこと。
相手が自分に何かしたら、それに対して何かしらの反撃や反論をする、そんな意味があるんやな。適度な応酬は大切やね。
【語源由来】
しきりに矢を射かけてくる敵陣に一本の矢を射返すという意味から。
「一矢を報いる」の解説
「一矢を報いる」っていう言葉は、日本の鎌倉時代の出来事から来ているんだ。
モンゴル帝国は、その当時、アジアやヨーロッパに大きな勢力を持っていて、その力を使って日本にも2回攻めてきたんだよ。それが「元寇」と呼ばれる出来事で、1274年に初めて攻めてきた時が「文永の役」と言われているんだ。
その時、モンゴル帝国は900隻もの大艦隊で日本に攻めてきて、対馬や壱岐をすぐに制圧してしまい、九州の博多にまで上陸したんだ。
この危機的な状況の中、日本側の指揮官として九州の武士たちを指導していた、小弐景資という人物がいたんだ。彼は弓の名手で、その技術を使ってモンゴルの副司令官の劉復亨を射て、重傷を負わせたんだ。その時に放った弓矢が「一矢(いっし)」、そして敵に反撃したことを「報いる」という形で表現して、その出来事が「一矢を報いる」っていう言葉の由来になっているんだよ。
つまり、「一矢を報いる」っていう言葉は、どんなに強大な敵がいようとも、自分から一歩も引かず、逆に一発反撃を食らわせる、っていう勇敢さを表しているんだね。
「一矢を報いる」の使い方
「一矢を報いる」の例文
- あくまでも自分のペースで話を進めていこうとする彼に、一矢を報いるというような気持ちもあった。
- 優勝候補と初戦であたった結果、コールド負けしそうだったが、一矢を報いたいという全員の気持ちが最後の奇跡の一点を呼び込んだ。
- 我が社の新製品が、ライバル会社に一矢を報いる結果となり、みんなで喜んだ。
- いつも口でかなわない、あいつに一矢を報いようと思い、胡椒と唐辛子を入れ替えたら、彼はまんまとラーメンに大量の唐辛子を入れ悲鳴を上げていた。
- この戦いでは一矢を報いる場面もあったが、結果は大きな損害を受けて終わった。
相手が自分に向けて放った「矢」に対し、自分からも「矢」を放つ、つまり何らかの反応を示すということだよ。