「鶍の嘴の食い違い」の意味(語源由来)
【ことわざ】
鶍の嘴の食い違い
【読み方】
いすかのはしのくいちがい
【意味】
ものごとが食い違って思うようにならないことのたとえ。
思った通りに事が進まないとき、まるでくちばしが食い違ってる鳥みたいな感じってわけや。このことわざは、予定通りに物事が進まない状況を、なんとも風刺たっぷりに表現してるんやな。
【語源・由来】
鶍とは、ヨーロッパ、アジアの北部や北アメリカに広く分布する鳥のこと。アトリ科の小鳥で、上と下の嘴が食い違っていることから。先端で交差していて、松かさの種などをついばむのに都合よくできている。
「鶍の嘴の食い違い」の解説
「鶍の嘴の食い違い」っていうことわざはね、物事が計画通りに進まなくて、思うようにうまく行かないときのことを表しているんだよ。
「鶍」(イスカ)っていうのは、上下のくちばしが曲がってて、なかなかうまく合わない鳥のことなんだ。だから、このことわざは、そのイスカのくちばしがうまく合わない様子を使って、物事が思うように進まない状況を表現しているんだよ。
例えばね、学校のプロジェクトでみんなで一緒に働くことになったとするよ。でも、みんなの意見がバラバラで、全然まとまらない。そんな時、この「鶍の嘴の食い違い」ってことわざがピッタリだよ。みんなが一緒に協力して、同じ方向に進もうとするけど、結局は思うようにうまく行かない、そんな状況を表しているんだね。
「鶍の嘴の食い違い」の使い方
「鶍の嘴の食い違い」の例文
- 双方の言い分が食い違っていて、鶍の嘴の食い違い、どうすればいいのだろうか。
- お互い同意していたはずなのに、鶍の嘴の食い違いで、まだ揉めている。
- みんなの意見が一方向にまとまらず、鶍の嘴の食い違いで困ったことになっている。
- 自分の伝えたことが相手にうまく伝わらず、鶍の嘴の食い違いになり喧嘩になった。
- 「賢者の贈り物」という話に出てくる夫婦はお互いを想いすぎて、鶍の嘴の食い違いになったが、それでも二人は幸せだった。
「鶍の嘴の食い違い」の文学作品などの用例
令嬢がピアノを弾くのも両者を通じて同じだ。医者の精神的堕落も同じである。ただ片恋の方向が、まず医者から令嬢へ、やがて令嬢から医者へと、イスカの嘴になっているだけで、最後に病身になった令嬢が母と二人で静養に出かけるところも同工異曲といえる。(神西清のチェーホフ序説より)