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【命は義によりて軽し】の意味と使い方や例文!故事は?(類義語・対義語・英語)

命は義によりて軽し

【故事成語】
命は義によりて軽し

【読み方】
いのちはぎによりてかるし

【意味】
かけがえのない命であっても、正義や人として守るべき道のためなら惜しくないという意味。

ことわざ博士
「義」は、私利ではなく、人として正しい道や恩に報いる筋道を指しているよ。
助手ねこ
命を粗末に扱う場面ではなく、正しさや責任を命より重く受け止める場面で用いるニャン。

【英語】
・lay down one’s life for a righteous cause(正しい目的のために命を捧げる)

【類義語】
・命は鴻毛より軽し(いのちはこうもうよりかるし)
・死は或いは泰山より重く或いは鴻毛より軽し(しはあるいはたいざんよりおもくあるいはこうもうよりかるし)

【対義語】
・命あっての物種(いのちあってのものだね)
・死んで花実が咲くものか(しんではなみがさくものか)

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「命は義によりて軽し」の故事

故事成語を深掘り

この言葉は、中国の史書『後漢書(ごかんじょ)』(南朝宋、432年完成、范曄撰)の「朱穆伝」に見える「命緣義輕」にもとづきます。『後漢書』は、後漢王朝の歴史を紀伝体で記した正史で、范曄が先行する後漢史の記録を参考にしてまとめた書物です。

朱穆は、私的な仲間づきあいや派閥が正しい道を傷つけることを憂え、交わりのあり方を論じました。その論の末尾には、専諸・荊卿が恩に感じて奮い立ち、侯生・豫子が身を投じた例が挙げられ、「情為恩使、命緣義輕」とあります。

この一節は、心が受けた恩に動かされ、人として守るべき義の前では命さえ軽くなるという意味を表しています。ここでいう「軽い」は、命を粗末にするという意味ではなく、命の重さを知ったうえで、それを超えるほど重い正義や恩義があるという考えを示しています。

この言葉は、日本でも漢文の名句として早くから受け入れられました。藤原公任撰『和漢朗詠集(わかんろうえいしゅう)』(1013年頃成立)には、「述懐」の部に「心爲恩使、命依義軽。後漢書」とあり、『後漢書』の句をふまえた形で採られています。

『和漢朗詠集』は、平安時代の人々が朗詠した漢詩文の句と和歌を集めた書物で、のちの軍記物語や謡曲にも影響を与えました。そのため、「命依義軽」という漢文の形は、単なる古典の一句にとどまらず、日本語の文章や教訓の中で読まれ、受け継がれていきました。

鎌倉時代の説話集『十訓抄(じっきんしょう)』(1252年成立)巻六には、「身は恩のためにつかはれ、命は義によりて軽といへる」という形の用例が伝わります。巻六は、忠直を主題とする教訓の中に位置づけられており、受けた恩に報い、正しい道を守るために身命を惜しまない姿勢を示す言葉として用いられています。

のちには、「命は義によりて軽し」とともに、「命は義によって軽し」という形も用いられるようになりました。「よりて」「よって」は、どちらも理由や根拠を表し、義があるからこそ命さえ惜しくなくなるという意味につながっています。

現在の「命は義によりて軽し」は、命を軽んじる言葉ではなく、命よりも重く守るべき正義や恩義があるという、非常に強い覚悟を表す故事成語として使われます。古い漢籍の「命緣義輕」から、日本の漢文句や説話を経て、義を重んじる生き方を表す言葉として定着したものです。

「命は義によりて軽し」の使い方

健太
歴史の授業で、昔の武士が主君や仲間のために命がけで戦った話を読んだんだ。
ともこ
自分の命を懸けてまで正義を貫くなんて、本当に強い覚悟がないとできないことだよね。
健太
まさに命は義によりて軽しという言葉の通りで、僕だったら怖くて逃げ出してしまうかもしれないよ!
ともこ
それだけ彼らにとっては、人としての正しい道や受けた恩を返すことが重かったのだろうね。
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「命は義によりて軽し」の例文

例文
  • 命は義によりて軽しは、正しい道のためなら命も惜しまないという強い覚悟を表す。
  • 武士の物語では、主君への忠義を語る場面で命は義によりて軽しが用いられることがある。
  • 彼は仲間を救うために危険を引き受け、命は義によりて軽しを地で行くような行動をした。
  • 命は義によりて軽しという言葉は、単なる勇ましさではなく、義を重んじる心を示す。
  • 古い文章を読むと、命は義によりて軽しに近い考えが、恩に報いる行動と結びついている。
  • 命を大切にする現代では、命は義によりて軽しを軽々しく使わず、重い覚悟を示す言葉として扱う。

主な参考文献
・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・松村明監修『大辞泉 第二版』小学館、2012年。
・范曄撰『後漢書』432年。
・藤原公任撰『和漢朗詠集』1013年頃成立。
・浅見和彦校注・訳『新編日本古典文学全集51 十訓抄』小学館、1997年。





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