「風が吹けば桶屋が儲かる」の意味(語源由来・類義語)
【ことわざ】
風が吹けば桶屋が儲かる
【読み方】
かぜがふけばおけやがもうかる
【意味】
ある事が起きるとそれが原因となり、巡り巡って全く関係ない所に影響が及ぶ長い長い因果関係を意味しています。また現代では、論理の飛躍・こじつけを意味することから、当てにならない事を期待する時にも使われます。
風が吹いたら、それが桶屋さんの商売繁盛につながるなんて、思いもよらへんところに影響が広がるってわけや。また、そんなあてにならへんことを期待することもあるんやな。
江戸時代、無跡散人が書いた浮世草子「世間学者気質かたぎ」の中の言葉が由来となっています。ただし、当時は「風が吹けば箱屋が儲かる」という言葉は使われておらず、また「桶屋」ではなく「箱屋」でした。風で砂埃が立つ→砂埃で失明する人が増える→失明した人は三味線で生計を立てる→三味線が売れるので猫皮がもっと必要になる→猫がたくさん殺される→ネズミが増える→ネズミは桶をかじる→桶が売れるので儲かる、と現代ではこのように説明されます。
・大風が吹けば桶屋が喜ぶ
・風が吹けば箱屋が儲かる
「風が吹けば桶屋が儲かる」の解説
「風が吹けば桶屋が儲かる」っていう言葉は、江戸時代の一つのお話、「世間学者気質」から来ているんだよ。
でも、その元のお話では実は、「桶屋」じゃなくて「箱屋」がお金を稼ぐ話だったんだ。だけど、時が経って「箱屋」が「桶屋」に変わって、今の形になったんだよ。
それでは、そのお話をちょっと簡単に説明してみよう。
最初は、すごく強い風が吹くんだ。
風が吹いて、土ぼこりが舞い上がると、人々の目に土が入って、眼病になる人が増えるんだ。
眼病で見えなくなった人たちは、何か仕事を見つけなければならなくて、三味線を弾くことになるんだ。
そうすると、三味線を作るために必要な猫の皮がたくさん必要になって、たくさんの猫が捕まえられるんだ。
猫がたくさん捕まえられて少なくなると、猫の敵であるネズミが増えるんだ。
そのネズミたちは、桶をかじることで有名だから、桶がダメになってしまうんだ。
そして、桶がダメになると新しい桶が必要になり、その結果、桶を作る桶屋がお金をたくさん稼げるんだよ。
これが、「風が吹けば桶屋が儲かる」の由来だよ。何も関係なさそうな風と桶屋だけど、こんな風につながっているんだね。
「風が吹けば桶屋が儲かる」の使い方
「風が吹けば桶屋が儲かる」の例文
- 風が吹けば桶屋が儲かるを株の取引に当てはめてみると、風が吹き→家屋が倒壊→新しい家を建てる→建設会社が忙しくなる→関節関係の株価が上昇、というイメージになる。
- 株取引で大きな利益を上げるには、風が吹けば桶屋が儲かるのことわざ通り、先を見越す必要がある。例えば、中国で一人っ子政策が廃止された時などは、日本の粉ミルクや紙おむつを製造する企業の株価が上昇した。
- 風が吹けば桶屋が儲かるという循環型のビジネスチャンスを掴もうと思ったら、風が吹くのを待つだけでなく、自分から動いて風を起こすという方法もある。
「風が吹けば桶屋が儲かる」を英語で言うと?
「風が吹けば桶屋が儲かる」の英語表現をご紹介します。
※英語の声:音読さん
It is an ill wind that blows nobody any good.
- 直訳:悪い風は誰にも良いことをもたらさない。
- 意味:どんなに悪い状況でさえ他の誰かの利益になっている。
- 用語:ill : 悪い、病気の
butterfly effect
- 直訳:バタフライ効果
- 意味:非常に些細な小さなことがさまざまな要因を引き起こし、だんだんと大きな現象へと変化すること
one thing leads to another
- 直訳:一つのことは別のことに繋がる
- 意味:いろいろあって、あれこれあって
- 用語:lead to 〜 : 〜に繋がる、〜を引き起こす
また、それは、当てにならないことを期待する様子を描いた表現でもあるよ。