「ミイラ取りがミイラになる」の意味(語源由来・類義語・英語訳)
【ことわざ】
ミイラ取りがミイラになる
【読み方】
みいらとりがみいらになる
【意味】
人を捜しに行った者がそのまま帰ってこないで、捜される立場になってしまうこと。また、人を説得に行った者が、かえって説得され、先方と同意見になってしまうこと。
考えてみると、人生ってそんなことあるよな。このことわざは、そういった予想外の結果に注意しようと教えてくれてるわけやな。
【語源由来】
ミイラとはポルトガル語で、漢字では「木乃伊」と書きます。「没薬」を意味するもので、手足をけがした人がミイラを薬として食べると、たちどころに治るとされ、「本草綱目」でも引用されています。中世ヨーロッパでは、ミイラは一般的な薬として広く使用されていためミイラを取ることを生業とする者が増えました。ミイラを取るためには墳墓の中に入ったり、砂漠を越えたりすることから行き倒れる人もありました、このことから「ミイラ取りがミイラになる」という言葉が生まれたといわれています。
【類義語】
・木菟引きが木菟に引かれる
・人捕る亀が人に捕られる
【英語訳】
Many go out for wool and come home shorn.
「ミイラ取りがミイラになる」の解説
「ミイラ取りがミイラになる」っていうことわざの由来はね、アラビアやエジプトのような地域で、死体を保存するために使う「ミイラ」っていう特別な油を取りに行った人が、その過程で失敗して自分自身がミイラになっちゃう、という話からきているんだ。
この「ミイラ」っていう油は、死体を防腐するためのもので、この油を塗った布で体を巻いて、箱や棺に入れて保存することで、死体が腐るのを防げたんだよ。
でもね、このミイラ取りをする人たちが、遠くの砂漠で行き倒れたり、何かの事故で命を落としてしまうことがあったんだ。そうすると、その人自身がミイラになることになっちゃう。つまり、目指していたものを得るどころか、逆に自分がそのものになってしまう、ということを象徴しているんだ。
このことわざは、「他人の失敗を避けようとして、自分が同じ失敗をする」や「自分が他人を批判し、警戒することを忘れてしまい、自分が同じ失敗をする」などの状況を指して使われることが多いよ。
「ミイラ取りがミイラになる」の使い方
「ミイラ取りがミイラになる」の例文
- 財政課に説明に行ったけれど、簡単に論破されてミイラ取りがミイラになってしまいました。
- 息子を連れもどすために出かけた父が、帰ってこなくなった。ミイラ取りがミイラになってしまった。
- どんな説明をしたのか、ミイラ取りがミイラになってどうする。もう一度誰にも負けない理論を構築して再度説明をしなさい。
- 怪しい仕事をしている息子を説得してやめさせようとした母が、逆に説得されてしまい、今では母も怪しい仕事に加担している。ミイラ取りがミイラになってどうするんだと父が怒っていた。
- ミイラ取りがミイラになることを避けるため、誰を派遣するかしっかり検討してもらいたい。
- あなたを派遣する意味は、先方の信頼を得て我が方のプロジェクトに参加させるためです。ミイラ取りがミイラにならないよう十分に準備しておいて下さい。
つまり、他人を説得しに行ったつもりが、逆に自分が説得されてしまうなど、初めは相手に影響を与えるつもりが、結果的に自分が影響を受けてしまうことを指しているんだよ。