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【男心と秋の空】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・対義語・英語)

男心と秋の空

【ことわざ】
男心と秋の空

【読み方】
おとこごころとあきのそら

【意味】
男の女性に対する愛情は、秋の空模様のように変わりやすいということ。

ことわざ博士
「男心と秋の空」は、男性の恋愛感情が移ろいやすいことを、変化の激しい秋空になぞらえた表現だよ。
助手ねこ
男性が以前の相手への関心を失い、別の相手へ心を移すような場面で用いるニャン。

【英語】
・A man’s heart changes like the autumn sky(男の心は秋の空のように変わる)

【類義語】
・夫の心と川の瀬は一夜に変わる(おっとのこころとかわのせはいちやにかわる)

【対義語】
・偕老同穴(かいろうどうけつ)

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「男心と秋の空」の語源・由来

ことわざを深掘り

「男心と秋の空」は、男性の恋愛感情の変わりやすさを、晴れたり曇ったりして移り変わる秋の空模様に重ねたことわざです。「秋の空」は、天候の変化だけでなく、人の心が一定しないことを表すたとえとしても使われてきました。

このことわざにつながる古い言い方には、秋空ではなく、川の浅瀬をたとえに用いたものがあります。御伽草子(おとぎぞうし)の『あきみち』(室町時代末期成立、作者不明)には、「おっとのこころと川の瀬は一夜にかはるたとへあり」とあります。夫の心と川の瀬は一晩のうちにも変わるという意味で、男性の愛情の移ろいやすさを、流れによって深さや形を変える川の瀬に重ねています。

江戸時代前期の俳諧書『毛吹草(けふきぐさ)』(1638年序、松江重頼編)には、「男の心と川の瀬は一夜に変る」という形が出てきます。ここでは「夫の心」が「男の心」となり、特定の夫婦関係に限らず、男性の恋愛感情一般を表す言い方へと広がっています。

一方、「秋の空」は、江戸時代中期までに、変化の激しいものを表す比喩として用いられていました。雑俳『礒の波』(1747年・江戸時代中期)には、「下手の碁は七度替る秋の空」とあります。下手な者が打つ碁の形勢は、秋空のように何度も変わるという句で、「秋の空」が移ろいやすさの象徴となっていたことが分かります。

男性の心と秋空を直接結び付けた古い例は、『興談浮世袋(きょうだんうきよぶくろ)』(1770年・江戸時代中期、青二斎能楽著)に出てきます。そこには、「男の心と秋の空、かはるが早いと」とあり、男性の心変わりの早さを秋空の変化にたとえています。この段階では、現在の形よりも長い「男の心と秋の空」という言い方でした。

現在と同じ「男心と秋の空」というまとまった形は、人情本『恋の若竹(こいのわかたけ)』(1833〜1839年・江戸時代後期、寛江舎蔦丸・十字亭三九著)に出てきます。竹次郎が、それまで思いを寄せていたお若を忘れ、通うことも少なくなった場面で、「男心と秋の空と、たとへのごとく」とあります。男性の愛情が別の相手へ移るという、現在の意味に近い用例です。

明治時代になると、女性の心変わりを表す「女の心と秋の空」という言い方も使われるようになります。福田英子の『わらはの思出』(1905年・明治時代)には、「変わりやすいものを女の心と秋の空とも例えてありますが」とあります。ただし、もとの形は「男心と秋の空」であり、江戸時代には、男性の心を表す形が広く用いられていました。

その後も「男心と秋の空」は使われ続け、永井荷風の『日和下駄(ひよりげた)』(1914〜1915年・大正時代)にも、「変わりやすいは男心に秋の空」と出てきます。「女心と秋の空」が広まったあとも、男性の移り気を表すもとのことわざが失われたわけではありません。

このように、「男心と秋の空」は、川の瀬を用いた古いことわざと同じ発想を受け継ぎながら、変化の激しい秋空をたとえとする形へと移り、江戸時代後期までに現在の言い方として定着しました。すべての男性の心が変わりやすいと決めつける言葉ではなく、ある男性の恋愛感情が急に移った場面を、昔からのたとえによって言い表すことわざです。

「男心と秋の空」の使い方

ともこ
昨日まで、姉の友だちに毎日手紙を書いていた兄が、今日は別の人の話ばかりしているの。
健太
えっ、そんなに早く好きな人が変わったの?
ともこ
姉が、まさに男心と秋の空ねって、あきれていたよ。
健太
心が変わるにしても、相手の気持ちは大切にしないとね!
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「男心と秋の空」の例文

例文
  • 昨日まで熱心に交際を申し込んでいたのに、今日は別の人を追いかけるとは、まさに男心と秋の空だ。
  • 姉は、恋人の急な心変わりを男心と秋の空だと嘆いた。
  • 男心と秋の空というが、彼の愛情は会うたびに別の人へ移っていた。
  • 母は、男心と秋の空に振り回されず、相手の行動をよく見るよう娘に話した。
  • その小説では、男心と秋の空という古いことわざが、主人公の移り気を表している。
  • 婚約までした相手を突然忘れた彼の態度は、男心と秋の空そのものだった。

主な参考文献

・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・『あきみち』室町時代末期成立。
・松江重頼編『毛吹草』1638年序。
・青二斎能楽『興談浮世袋』1770年。
・寛江舎蔦丸・十字亭三九『恋の若竹』1833〜1839年。
・福田英子『わらはの思出』1905年。
・永井荷風『日和下駄』1914〜1915年。





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