「舌を巻く」の意味
【慣用句】
舌を巻く
【読み方】
したをまく
【意味】
驚いたり感心したりする様子。
「舌を巻く」の解説
「舌を巻く」という言葉は、人が本当に驚いたときに、口をパクっと開けて何も言えなくなる様子を表現しているんだ。この言葉の起源は、昔の中国の歴史書からきているんだ。
その歴史書には「舌巻」という表現が登場するんだけど、これは舌を口の奥に巻き込む、つまり口を閉じて話すことができない状態を表していたんだよ。舌を口の中で巻き込むことで話すことができなくなる、というのが原点なんだ。
だから、「舌を巻く」という表現は、もともとは「言葉が出ないほど驚く」っていう意味を持っていたんだ。例えば、友達が何も言わずに突然バック転をやったりしたら、君もきっと驚いて舌を巻くだろうね。
それから時間が経つにつれて、「舌を巻く」はただ驚くだけでなく、ほめる意味も含むようになったんだ。だから、誰かがすごい技を見せてくれたときや、すごく面白い話を聞いたときなどにも「舌を巻いた」って言うことができるよ。
「舌を巻く」の使い方
「舌を巻く」の例文
- サッカーの対戦相手の学校の生徒さんたちの礼儀正しさには舌を巻いた。
- ともこちゃんの夏休みの自由研究にかける熱意には舌を巻くほどです。
- 先生でさえ舌を巻くほどの集中力で、彼は見事に試験に合格した。
- 彼女の実直な性格と優しさに、私は内心舌を巻いてしまった。
- 元々才能がある奴だとは思っていたが、ここ最近の才能の発揮ぶりには誰もが舌を巻いた。
【注意!】間違った例文
❌「今日の給食のカレーが辛すぎて、舌を巻いた。」
「舌を巻く」の文学作品などの用例
きっと、そのM・Tという人は、用心深く、妹からお友達の名前をたくさん聞いて置いて、つぎつぎとその数ある名前を用いて手紙を寄こしていたのでございましょう。私は、それにきめてしまって、若い人たちの大胆さに、ひそかに舌を巻き、あの厳格な父に知れたら、どんなことになるだろう、と身震いするほどおそろしく、けれども、一通ずつ日附にしたがって読んでゆくにつれて、私まで、なんだか楽しく浮き浮きして来て、ときどきは、あまりの他愛なさに、ひとりでくすくす笑ってしまって、おしまいには自分自身にさえ、広い大きな世界がひらけて来るような気がいたしました。(太宰治の葉桜と魔笛より)
例えば、友達が突然、すごく難しい計算を頭で瞬時に答えたら、そのすごさに「舌を巻く」って言うんだ。