「天の邪鬼」の意味(語源由来)
【慣用句】
天の邪鬼
【読み方】
あまのじゃく
【意味】
何事によらず人の意見に逆らった行動ばかりするひねくれ者。
ひねくれてて、ちょいと困るようなやつらを「天の邪鬼」って言うんやな。
【語源由来】
「古事記」「日本書紀」に出てくる、「天探女(あまのさぐめ)」に由来し、「あまのさぐめ」がなまって「あまのじゃく」へと変化したとされる。天探女は、「人の心を読んで悪戯をしかける子鬼」とされることから、転じて、現代では「他者(多数派)の思想・言動を確認したうえで、あえてこれに逆らうような言動をするひねくれ者やつむじ曲がり、また、本心に素直になれず、周囲と反発する人、またはそのような言動を指して、「天の邪鬼」と呼ばれるようになった。
「天の邪鬼」の解説
「天の邪鬼」っていう言葉の語源は、色々な説があるんだけどね、その一つは、日本の古い物語「日本書紀」や「古事記」に出てくる、神様の「天探女(あまのさぐめ)」から来てるんだよ。
天探女っていう女神は、アメノワカヒコっていう神様の手伝いをしていたんだ。でもある日、大神様の天照大御神が、アメノワカヒコに「もう帰ってきてほしい」という伝言を、キジという鳥に頼んだんだ。それを、アメノワカヒコより先に知った「天探女」は、アメノワカヒコに「あの鳥は怖いよ、殺してしまった方がいい」と言ってしまったんだよ。そして、アメノワカヒコはその鳥を殺してしまった。
その鳥を射た矢は空まで飛んでいって、それをアメノワカヒコを遣わせた神様が拾ったんだ。「もしアメノワカヒコが悪いことを考えているなら、この矢が彼に当たるだろう」と言って、矢を空に放ったら、その矢はアメノワカヒコの胸に刺さってしまった。
この話から、「天探女」は「天(神様)の邪魔をする鬼」つまり「天の邪鬼」と言われるようになったんだって。
また、「天の邪鬼」の語源には、他にも毘沙門天という神様の像のお腹にある鬼の顔を「あまのじゃく」と呼ぶこと、あるいは、仁王という神様に足で踏まれている小さな悪魔を「あまのじゃく」と呼ぶことも、語源とされているよ。
「天の邪鬼」の使い方
「天の邪鬼」の例文
- 彼は天の邪鬼で、白と言えば黒と答える男だが、根は極めて良いやつで面倒見もいいから、部下から信頼されている。
- 先生の天の邪鬼ぶりは、奥様を亡くされてから一層ひどくなったそうでお手伝いさんが困っているとか。
- 彼は天の邪鬼なので、みんながクラス一の美女を褒めているときに、彼一人だけ違う女子生徒を褒めた。
- 彼女は天の邪鬼なので、きれいな部屋を散らかし、散らかした部屋をきれいにする。
- 彼は天の邪鬼だから、すぐへそを曲げるし話をしたくない。
要するに、一言で言うと「ひねくれ者」を指す言葉なんだ。