「釈迦に説法」の意味(語源由来・類義語)
【ことわざ】
釈迦に説法
【読み方】
しゃかにせっぽう
【意味】
その道を知り尽くしている相手に、不必要なことを教えることのたとえ。
たとえば、プロのシェフに料理の基本を教えるみたいなことやな。知識や技術についての他人の理解と尊重が大切なんやで。
【語源・由来】
仏教を開いた釈迦に対して、仏法を説くという愚かさをたとえたもの。
【類義語】
・河童に水練
・極楽の入り口で念仏を売る
・猿に木登り
「釈迦に説法」の解説
「釈迦に説法」という言葉は、もう物知りで、すべてを知っているお釈迦様にわざわざ教えを語るような、ちょっとばかばかしい行動を例えた言葉だよ。お釈迦様は仏教の教えをひろめたとても賢い先生だから、その先生に教えを語るなんて、その人がもうとっくに知ってることを教えるみたいなものだね。
だから、「釈迦に説法」っていうのは、知っている人に改めてそのことを説明するのは無駄だし、その人にとっては何の役にも立たないよっていう意味なんだ。普通に話すときには、「すごく詳しい人に、その人が既に知ってることを言うのはおかしいよね」という時に使うんだよ。
「釈迦に説法」の使い方
それは釈迦に説法よ!
「釈迦に説法」の例文
- お坊さんに人生はどのようなものかを説くなんて、それこそ釈迦に説法だよ。
- 釈迦に説法というように、自分よりもよく知っているその道の専門家に対して、自分のほうがくわしいような顔をして教えるのは非常におろかなことだ。
- 隣でゴルフの練習をしていた女性に、フォームを直すように指導しようとしたけれど、一緒にいた友人に、「彼女はプロゴルファーだから釈迦に説法だよ。」と、止められた。
- 先輩はベテランだと承知しているので、釈迦に説法ですがひとこと言わせてください。
- 教師をしておりますが、私はまだ独身で子供がおりませんので、保護者の方々にお話をするのは釈迦に説法をするようで気が引けてしまいます。
- 将棋教室で出会ったおじいさんに、将棋のことを教えてあげたけれど、昨日テレビであのおじいさんがプロ棋士だということを知ったんだ。釈迦に説法をしてしまったよ。
【注意!】間違った例文
❌「無知な彼に説教しても、釈迦に説法だよ。」
❌「私にゴルフの手ほどきをするなんて、釈迦に説法だよ。」
「釈迦に説法」の文学作品などの用例
勝ち必ずしも名誉とはかぎらない。負け必ずしも不面目とはかぎらない。や、これはこれは失礼、うかうか、釈迦に説法……脱線の儀は平に平に謝し奉る。(北大路魯山人の素人製陶本窯を築くべからずより)
「釈迦に説法」を英語で言うと?
「釈迦に説法」の英語表現をご紹介します。
※英語の声:音読さん
Don’t teach fishes to swim.
- 直訳:魚に泳ぎを教えるな。
- 意味:その道の専門家や熟練した人にアドバイスをするのは愚かなことだ。
Don’t teach your grandmother to suck eggs.
- 直訳:祖母に卵の吸い方を教えるな。
- 意味:その道の専門家や熟練した人にアドバイスをするのは愚かなことだ。
これは、無知や無理解の示唆で、他人の知識やスキルを理解し尊重する重要性を示しているんだ。