「屋下に屋を架す」の意味(語源由来・出典・類義語)
【ことわざ】
屋下に屋を架す
【読み方】
おくかにおくをかす
【意味】
無駄なことを繰り返し行うこと。
もう十分にできていることに、さらに追加するという無駄な行動を示してるんやな。もういいってところに、また同じことを足すという無意味さを教えてくれることわざやな。
【語源由来】
屋根の下に屋根を作る意から。
【出典】
「顔氏家訓」
【類義語】
・床上に床を施す
「屋下に屋を架す」の解説
「屋下に屋を架す」っていうことわざは、もう必要なことは全部やったのに、さらにそれ以上にやろうとすることを表すんだよ。それはちょっと無駄な行動ともいえるんだ。
このことわざの由来は、昔の中国の話から来ているんだよ。四世紀に中国にあった東晋という時代のことなんだ。その時代に庾闡という人が「揚都の賦」というすごく素敵な文章を書いたんだけど、それがすごく評判になったんだ。
でもね、その当時の有力者、謝安という人は、もう同じように都会のにぎやかさを描いたすごい文章がたくさんあって、庾闡の文章はそれに比べるとちょっと及ばないって考えて、「この作品は、もうある屋根の下に新しい屋根を作ったみたいで、何の新しさもないよ」って言ったんだ。
だから、「屋下に屋を架す」っていうのは、もう十分なことがなされているのに、さらに同じことをやろうとすることを指していて、ちょっと無駄な努力をすることのたとえなんだよ。それがこのことわざの意味なんだね。
「屋下に屋を架す」の使い方
「屋下に屋を架す」の例文
- 屋下に屋を架すような業務を失くし残業ゼロにつなげる。
- 屋下に屋を架すのは時間と労力の無駄である。
- コスト削減のためと何度も繰り返していた安全確認作業は屋下に屋を架すと判断され、その結果重大インシデントを起こした。
- 健太くんとともこちゃんが同じことをする意味があるの?屋下に屋を架すで二度手間というやつじゃないの?
- みんなの予定を合わせて小田原評定を何度も行うのは屋下に屋を架すなので、僕が独断で決める。
「屋下に屋を架す」の文学作品などの用例
過去の理想を描きたる作を見んと欲せば、馬琴に帰れ、春水に帰れ、種彦に帰れ、もしくは又た巣林子、西鶴の作に帰れ。之れを以て今の作家に擬するは屋上屋を架するの愚を演ずるものにはあらざるか。(綱島梁川の国民性と文学より)