「上の空」の意味とは?
【慣用句】
上の空
【読み方】
うわのそら
【意味】
ほかのことに気をとられていて、今必要なことに注意が向かないこと。
「上の空」の語源由来
【語源由来】
「上の空」は空の上のほうをさす、大昔からある言葉。もともと、心が体からはなれてしまったような、落ち着かないことを表す「心空なり(空なる心)」という言葉があり、それがさらに強調されて「上の空なる心」となり、短く「上の空」というようになった。
「上の空」という言葉、実はとても古い時代から使われているんだよ。平安時代の有名な物語『源氏物語』にも登場するんだ。
その頃、この言葉は「空の上の方」を表す言葉として使われていたんだけど、その中には少し特別な感情が込められていたんだよ。「源氏物語」に出てくる歌の一部で「山の端の心もしらで行く月はうわのそらにて影や絶えなむ」ってあるんだけど、ここでいう「うわのそら=上の空」は「空の上の方」を表しているんだ。でも、その歌の背景を見ると、好きな人が雲に隠れてしまうように見えなくなってしまうのではないか、という不安が歌われているんだ。
それと同時に、「上の空」には「心空なり(こころそらなり)」という言葉から来ている部分もあるんだ。「心空なり」は、心がどこかに飛んでしまったような、集中力がない状態を表す言葉だったんだよ。それがさらに強調されて「上の空なる心」になり、つまり「心が空の上にあるような状態」を表すようになったんだ。
そして、それが時間とともに短くなって、「上の空」という言葉になったんだよ。「上の空」になると、頭が他のことでいっぱいで、今必要なことに集中できない、あるいはちゃんとした行動が取れないという意味を持つようになったんだ。それはちょうど、心が体から離れて空の上にいるみたいな状態を表しているんだ。
「上の空」の使い方
「上の空」の例文
- 第好きなミュージシャンのことを考えていると、上の空になってなかなか宿題がはかどらない。
- 父は、テレビの野球中継が始まると家族が何を言っても上の空になる。
- 楽しかった昨日の旅行のことを思い出して、今日は何もかもが上の空になってしまう。
- 学校の授業中に、先生の話を上の空で聞いていて注意をうけてしまった。
- 携帯電話をなくしてしまい、今日は1日後悔で上の空だろう。
【注意!】間違った例文
❌「飛行機の音がしたので、みんな上の空を見上げた。」