「騎虎の勢い」の意味(語源由来・類義語・英語訳)
【ことわざ】
騎虎の勢い
【読み方】
きこのいきおい
【意味】
虎の背に乗って走る者が、途中でおりられないように、勢いやはずみがついてしまって、途中でやめられなくなることのたとえ。
虎に乗るなんて、かっこええけど、一度乗ったら降りられへんから大変やね。事を始める前に、ちゃんと考えなあかんってことやな。
【語源・由来】
「随書(ずいしょ)」独孤(どっこ)皇后
北周の宣帝が没したときに、隋の高祖に対して皇后が、
「大事已(すで)に然(しか)り。騎獣(騎虎のこと)の勢い、必ず下(お)ることを得ず。之を勉めよ。」
いよいよ大事の時です。虎に乗って勢いよく走り出したら、もう下りることはできません。努力してください。
と、進言したという故事に基づく。
【類義語】
・乗りかかった船(のりかかったふね)
【英語訳】
He that is out at sea, must either sail or sink.
A person that is out at sea must either sail or sink.
疾走している虎の背にまたがってしまったら、振り落とされないようにしがみつくしかない。
もしも背から降りられたとしても、虎に食い殺されてしまうということ。
「騎虎の勢い」の解説
「騎虎の勢い」っていう言葉、聞いたことある?これはね、簡単に言うと、始めてしまったことは、途中で止めるのが難しくなっちゃうことを表しているんだよ。
想像してみてね。もし虎の背中に乗ってしまったら、途中で降りようと思ったら、虎に食べられちゃうかもしれないよね。だから、一度乗っちゃうと、降りるのが怖くて降りられないんだ。これと同じように、あることを始めたら、途中でやめるのが難しくなっちゃうことがあるんだよ。
この言葉の出所は、「隋書」の独孤皇后伝っていう古い話から来ているんだって。でも、大切なのは、この言葉が伝えたい意味。つまり、始めたことは、途中でやめるのが難しくなることがあるってこと。だから、何かを始める前に、よく考えることが大切なんだよね。
「騎虎の勢い」の使い方
「騎虎の勢い」の例文
- 友人は騎虎の勢いで、会社を設立することになったらしい。
- こうなったら騎虎の勢いで、なんとかやり遂げよう。
- 新しい企画に参加する予定ではなかったけれど、ここまできたのなら騎虎の勢いで最後まで付き合うよ。
「新しい店舗の売り上げがどんどん伸びている。これは騎虎の勢いだな。」と使うのは誤り。
「騎虎の勢い」の文学作品などの用例
武田の本軍、鳶ヶ巣以下の落城を知ったが、敵軍を前にして今更騎虎の勢、退軍は出来ない。天正三年五月二十一日の暁時(丁度五時頃)武田の全軍は行動を開始した。(菊池寛の長篠合戦より)
まとめ
騎虎の勢いというように、勢いのついてしまったことからは、なかなかやめることができないのではないでしょうか。
腹を括って、やり遂げる努力をしたいものですね。