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【蟻の熊野参り】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・英語)

蟻の熊野参り

【ことわざ】
蟻の熊野参り

【読み方】
ありのくまのまいり

【意味】
多くの人がぞろぞろと列を作って進むこと。蟻が列をなして続く様子を、熊野参りの人々の列にたとえた言い方。

ことわざ博士
蟻の熊野参りは、単に人数が多いだけでなく、人々が同じ方向へ長く連なって進む様子を表すんだよ。
助手ねこ
参詣者が列をなして熊野三山へ向かった歴史的な賑わいを背景に、行列や人の流れを表す場面で用いるニャン。

【英語】
・a stream of people.(同じ方向へ続いて動く人の流れ)

【類義語】
・長蛇の列(ちょうだのれつ)
・蜿蜒長蛇(えんえんちょうだ)

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「蟻の熊野参り」の語源・由来

ことわざを深掘り

このことわざの土台には、蟻が列をなして続く姿と、熊野三山へ向かう参詣者の長い列とを重ねる発想があります。熊野三山への参詣は10世紀前半から始まり、15世紀頃まで盛んに行われ、多くの参詣者が列をなして進んだことから、「蟻の熊野詣」と形容されました。

古い用例として、『杜詩続翠抄(としぞくすいしょう)』(1439年ごろ、江西龍派講)巻十五に「雁之飛於長空如蟻熊野詣(マイリ)」という形が出ます。これは、大空を列になって飛ぶ雁の姿を、蟻が熊野へ詣でるようだとたとえたもので、室町時代には「蟻」と「熊野詣」を結びつける比喩が、人やものの列を表す言い方として通じていたことを示します。

1603年に刊行された『日葡辞書(にっぽじしょ)』には、「Arino cumano mairi fodo tcuzzuitayo(ありの くまの まいり ほど つづいたよ)」とあります。これは「蟻の熊野参りほど続いたよ」と読める例で、近世初めには、列や人の流れが長く続くことを表すたとえとして、この言い方が広く知られていたことをうかがわせます。

『太閤記(たいこうき)』(1625年、小瀬甫庵著)にも、「番士五六十人づつ、入替入替、夜番廻番、蟻之熊野参りする如く、隙透間もなく見えにけり」という用例があります。ここでは、番をする武士たちが次々に交代し、すきまなく動いている様子を「蟻の熊野参り」にたとえており、宗教的な参詣そのものから離れて、大人数が連なって進むさまを表す言い方になっています。

江戸時代の国語辞典『倭訓栞(わくんのしおり)』は、熊野参りが盛んだったころ、身分の上下を問わず参詣者が一つの道を絶えず往来したことから生まれた言い方だと述べています。そこでは、当時よく知られた伊勢参りの賑わいとも比べられており、このことわざが「人が多い」だけでなく、「同じ道に長く続く」という形を大切にしていることが分かります。

このように、「蟻の熊野参り」は、実際に熊野へ向かった多くの参詣者の列と、身近な蟻の行列とを重ねた比喩から生まれました。現在では、神社仏閣への参詣に限らず、駅の通路、祭りの帰り道、会場へ向かう人の流れなど、大勢の人がぞろぞろと連なって進む場面を表すことわざとして使われます。

「蟻の熊野参り」の使い方

ともこ
健太くん見て、駅前の方からすごい数の人が歩いてくるよ。
健太
今日はあそこの広場で、新しいゲームの体験イベントがあるからかな。
ともこ
まさに蟻の熊野参りだね。私たちもあの列に並んで会場まで行ってみようよ!
健太
そうだね。このまま後ろについていけば、迷わずにたどり着けそうだ。
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「蟻の熊野参り」の例文

例文
  • 開場前の門から体育館まで、観客が蟻の熊野参りのように続いていた。
  • 遠足の児童たちは、狭い山道を蟻の熊野参りのように一列で進んだ。
  • 朝の駅では、改札へ向かう人の流れが蟻の熊野参りのようだった。
  • 人気店の前には、買い物客が蟻の熊野参りのように歩道に沿って並んだ。
  • 祭りの帰り道、橋の上を蟻の熊野参りのように人々が渡っていった。
  • 会議場へ向かう参加者が、廊下を蟻の熊野参りのように進んだ。

主な参考文献
・小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005〜2006年。
・飯間浩明編『四字熟語を知る辞典』小学館、2018年。
・土井忠生・森田武・長南実編訳『邦訳 日葡辞書』岩波書店、1980年。
・江西龍派講『杜詩続翠抄』1439年ごろ。
・小瀬甫庵『太閤記』1625年。
・谷川士清『倭訓栞』1777〜1887年。





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